賃貸アパート

◆敷金

敷金とは、家賃の不払いや、室内を汚したり傷つけた場合の修繕費用に備えるもので、一般的には貸主に預けます。家賃2ヶ月分を預けるのが一般的でしたが、最近は敷金・礼金0円の物件もあります。初期費用が少なくてすむ分、家賃は少し高めになっているようです。

◆保証金

保証金とは、貸ビル業界の取引用語であり、元来はビルの建設協力金として発生しました。高額のものが多く、返還期間については賃貸期間とは別に長期の据置期間が設けられるのが一般的です。しかし最近は、退去時まで据え置かれる敷金扱いのものが殆どです。
賃貸住宅における保証金は、賃料不払いや退去時の修繕費用に備えるための敷金と同様の性質で、退去時には返還されるものです。

◆原状回復

原状回復とは、退去時に借主の居住や使用により発生した汚損・破損を復旧することです。
部屋を普通に使っていて出来る傷や汚れ(自然損耗)、時間の経過と共に自然に劣化(経年変化)する部分の修繕費用は家賃に含まれます。しかしそれを超えるような使用(故意・過失)でできた傷や汚れの修繕費用は、借主が負担することになります。次の入居者のために、修繕する費用を負担することではありません。

【国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン】
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/kaihukugaidokai.pdf

◆敷引き

敷引きとは、退去時に家主から敷金を返還してもらう際、敷金の一定額または一定割合を差し引くと言う特約のことを言いますが、その趣旨、目的などはあまり明確ではありません。敷引き額が高額とか敷引き割合が高率で合った場合は、その有効性が争われることがあります。基本は、退去するにあたってまず貸主と部屋の状況を確認し合い、その後送られてくる見積もり書を、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に基づいて計算し直し、納得できない箇所や金額について貸主と話し合い、敷引金額を含めて返金を求めてください。

◆礼金

礼金とは、契約時に貸主へ支払う金銭で、戦後、焼け野原で住むところがない人達が、貸主へお礼の意味で包んだことで始まったとされている慣習です。また礼金の性格について、借家権設定の対価、賃料の前払いなどのような考え方がありますが、必ずしもはっきりしていません。普通借家契約において礼金が授受される場合、その額は賃料の1~2か月分が多いようです。このお金は敷金とは異なり、返還されない性格のものです。

◆更新料

更新料は、契約の更新の際、契約更新(合意更新)の対価として、借主から貸主に支払われる金銭です。貸主が更新を拒絶しない代わりの対価、賃借権強化の性質、賃料の補充の性質などがあるといわれますが、法律上の定めもなければ全国的に一般化しているともいえません。契約時に更新料を支払う事を定めれば、法外な金額でなければ支払義務が生じるとされてきましたが、最近の裁判では、更新料の有効性が争われています。しかし個々の契約によって、契約満了期間が1年または2年の場合や、更新料も賃料の1ヶ月分または2ヶ月分と違いがあるので、有効性については個別事案で判断されると考えられます。今後の動向を見守りましょう。

 

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