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申し入れ・要望

《未成年者の飲酒防止についての要望書》
2000年7月28日

《伏屋和彦国税庁長官、津島雄二厚生大臣、田中節夫警察庁長官、大島理森文部大臣、幸田昌一全国小売酒販組合中央会会長、後藤茂日本フランチャイズチェーン協会会長、岡田元也日本チェーンストア協会会長、鳥井信一郎日本洋酒酒造組合理事長、瀬戸雄三ビール酒造組合会長、小玉順一郎日本酒造組合中央会会長、大宮久日本蒸留酒酒造組合理事長  宛》


 一部の小学生は連れ立って低アルコール飲料を味見し、中学では大半の生徒が仲間と飲み始め、高校生になったらほとんどがひとかどの酒飲み――これが、日本の未成年者飲酒の現状です。それは、酒類に関する社会規制がまったく機能しない野放し状態だからです。
 厚生省は「健康日本21」の中で未成年者飲酒を早期になくすことを打ち出しましたし、文部省は2002年には小学校高学年からのアルコール・薬物・タバコの予防教育をスタートする方針ですが、今のままでは教育が効果をあげるとは思えません。実際、中学・高校での予防教育はすでに始まっているのに中・高生の飲酒はいっこうに減少しないのです。
 清涼飲料のような酒類を子どもが手軽に買える態勢をつくり、テレビで大量の酒類CMを流し、もう一方で「未成年者は飲むな」と言っても、子どもたちは納得しないでしょう。21世紀の日本に必要なのは、きちんとした酒類の管理、社会規制です。それがあってこそ、予防教育が効果をあげるのです。以下の対策を関連省庁、関連団体に要望します。

1.酒類自販機の完全撤廃について

 1995年、全国小売酒販組合中央会が中央総会で「現行屋外自販機は、2000年5月31日をもって自主的に撤廃する」と決議。国税庁も「酒類自販機に係る取扱指針」の通達を出し、同組合が決定した時期までの撤廃を行政指導してきました。
 その期限が過ぎたため、6月20日〜30日、主婦連合会とアルコール問題全国市民協会(ASK)が千代田区全域(官庁街を除く)の酒類自販機の実態調査を行ないました。
 別紙のとおり、千代田区だけで見ると60%が今回の自主規制に準じて自販機を撤去。以前どおり稼動していたのは17%で、完全ではないが撤廃はかなり進んでいることがわかりました。ただし、各地からの通報によると、まったく撤廃が行なわれていないように見受けられる地域もあり、全国的に足並みが揃っているとは思えません。また、酒類自販機に清涼飲料が混入していたり、清涼飲料の自販機に酒類を混入して24時間販売していたり、という改悪状況も見られます。国税庁では全国的な調査を実施されたとのことですが、早急に公表していただきたいと思います。
 また、現時点で自販機を稼動させている酒店は、「法律で決まったわけではなく、撤廃しないからといってとやかく言われる筋合いはない」と自主規制にまったく応じる気配がありません。完全徹底には法整備が不可欠です。“善意”で撤廃した酒屋さんが「正直者は損をする」という事態にならないようにするためにも、自販機の廃止を盛り込んだ酒類管理(社会規制)法の制定を強く要望します。

2.コンビニエンスストアでの対面責任販売強化について

 酒類を買う場所としてコンビニをあげる未成年者が多いため、4月末〜5月初旬、アルコール問題全国市民協会が実際に小学生2人(4年男子・5年女子)を買いに行かせる調査を試みました。世田谷区・目黒区のセブンイレブン、am pm、ローソン、ファミリーマート、サンクス、ポプラの合計6店で、子どもだけが入店し菓子や清涼飲料に混ぜて低アルコール飲料を購入してみたところ、まったくのノーチェックで、子どもに声をかけた店は1店もありませんでした。大手のコンビニでは、レジのタッチボードで客の性別やおよその年代を入力していると聞きます。市場調査のために年代は把握するけれど、未成年者の飲酒を防止する努力はまったくしない――これが現時点のコンビニの姿です。これでは対面販売とは呼べません。コンビニは、まさに未成年者飲酒の温床となっているのです。
 自販機の完全撤廃とあわせて、コンビニ対策は急務です。以下の対策を強く要望します。

  (1) 若者についてはしっかり年齢を確認し、たとえおつかいであっても未成年者には一切売らないよう従業員を教育すること。
  (2) 酒類を販売するのであれば、未成年者のアルバイトを置かないこと。
  (3) 改良型自販機同様に、酒類の深夜・早朝販売の規制をすること。

3.清涼飲料とまぎらわしい低アルコール飲料について

 最近、果物を全面に出した清涼飲料と非常にまぎらわしい低アルコール飲料が急激に増えており、価格も清涼飲料に並んで、ますます未成年者が買いやすい状況が起きています。これらの商品の多くがコンビニ、スーパー向けに開発されており、ノーチェック販売とあいまって、未成年者の飲酒を助長していることは明らかです。
 東京都養護教諭研究会の昨年の調査によると、小学校5、6年生の45.5%が飲酒経験をもち、飲んだ理由は「飲んでみたかったから」(1位)、「大人に勧められて」(2位)、「間違って飲んだ」(3位)となっています。
 洋酒酒造組合では「お酒マーク」の自主設定を決めましたが、この深刻な事態はそれだけでは改善できません。誤飲や未成年者飲酒を防ぐため、以下の対策を強く要望します。

  (1) 酒類だとはっきりわかる大きな目立つマークを全面につけること。
  (2) 一見清涼飲料に見えるようなパッケージデザインを採用しないこと。
  (3) 果物の図柄を使わないこと。
  (4) 販売は、未成年者飲酒禁止の表示のある酒類コーナーでのみ行なうこと。

4.酒類テレビCMの規制について  未成年者の飲酒を促進する大きな要因に、テレビCMがあげられます。世界の国々ではこれを法律で規制・禁止したり、酒類メーカーやその組合、またはメディア側や広告代理店が細かな自主規制コードを設けるなどして、配慮しています。その根底には、酒類は致酔性・依存性をもつアルコールを含む飲料であり、むやみに飲酒を促進すべきではないとの認識があるのです。とくに、テレビCMは未成年者に強い影響を与えるため、日本のように野放しの国は先進国にはまずありません。
 私たちは、日本でも酒類のテレビCMを法律できちんと禁止するべきだと考えますが、当面の対策として、以下の自主規制を業界全体で早急に行なうことを強く要望します。

  (1) 3項であげた清涼飲料に酷似した若者・女性向け低アルコール飲料のテレビCMを放映しないこと。
  (2) CMの中で飲酒シーンや喉を鳴らすような効果音を放映しないこと。
  (3) いきすぎの表現を行なわないこと。(危険な飲酒や大量飲酒を示唆するような表現、飲酒が人生に必需であり健康・成功・性的魅力を増すかのような表現など)
  (4) CM中にスポーツの場面を登場させないこと。スポーツの冠スポンサーにならないこと。
  (5) 時間と量の規制を行なうこと。
  (6) リスクについての情報提供をすること。(とくに、未成年者飲酒の有害性について)

5.未成年者飲酒禁止法の改正について

 未成年者飲酒禁止法は大正時代に制定されており、現状にそぐわない法律となっています。未成年者であることと、本人が飲用することを知って売った場合にのみ罰せられるというのでは、「未成年者だとは思わなかった」「未成年者だとわかっていたが、親に頼まれておつかいに来たと思った」ということになってしまいます。
 そこで、私たちが最後に要望するのは、この法律の改正です。
 未成年者に販売してはいけない――という単純な条文ならば、「おつかい」という理由は通用しなくなり、未成年者かどうかの年齢確認をレジでする必要がでてきます。また罰則も現行の科料ではなく、ある期間の営業停止という厳しい措置にすれば、店は真剣になります。実際多くの先進国がこのような対応をしているのです。

※日本アルコール問題連絡協議会加盟団体 [アルコール問題全国市民協会(ASK)・アディクション問題を考える会(AKK)・イッキ飲み防止連絡協議会・飲酒運転に反対する市民の会・救世軍日本本営・国際グッドテンプラーズ・全日本断酒連盟・日本アルコール関連問題ソーシャルワーカー協会・日本アルコール薬物医学会・日本キリスト教婦人矯風会・日本禁酒禁煙協会・日本禁酒同盟・QBE保険会社]

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