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申し入れ・要望

《「総合的事故防止策」の導入に関する緊急要望》
2006年7月25日

《内閣総理大臣、経済産業大臣   宛》


 主婦連合会は、昨年以降、松下FF式石油温風機死亡事故やシンドラーエレベータ死亡事故に際し、総合的事故防止策の導入が必要と主張し、いくつかの緊急施策を提示、関連業界・行政が早急な取り組みに着手されるよう、そのつど要望して参りました。

 しかし、一向に改善する兆しが見られないまま、今また、パロマ工業製瞬間湯沸器死亡事故が過去20年以上にわたり継続的に発生していたことが判明し、現行の製品安全確保策の不十分性と、事故防止対策のずさん極まりない実態が浮きぼりとなりました。

 これら重大事故に共通しているのは、事故が発生して社会問題になってのち、対応策が検討されていることです。個別製品・個別事故ごとの「後追い的な検討」が依然として常態化しており、事故情報の収集・活用は「タテ割り」のまま推移しています。後の調査結果からは、これら事故はいずれも予見された事故であって、事故関連情報が十分活かされないまま、事故の続発を招いてきたことが指摘されています。最初の事故発生段階における再発防止への視点は極めて弱く、実効性ある対策を講じてこなかったメーカーはじめ、業界・行政の責任は重いと言わざるを得ません。

 主婦連合会では、速やかに抜本的改善策の導入へ向けた体制整備に取り組まない限り、今後も同様の重大事故続発は避けられないと考えます。そこで再々度、以下のように、個別の事故発生原因を踏まえた総合的事故防止策の導入を強く要望します。

1 製品共通の「報告基準」を整備し、事故関連情報の「報告義務制度」を導入すべきです。

 
「松下」「シンドラー」「パロマ」の事故は、メーカー、メンテナンス業者、流通・小売業者など、関連業者すべてに対し、事故関連情報の報告義務を課すべきことを教えています。報告義務は食品を含む消費生活用製品すべてを網羅するものとし、これら対象製品に関するリコール制度の導入・整備・拡充を図るため、関連法律の改正に早急に着手すべきです。

 日本の「事故報告通報システム」は、自動車・医療・医薬品を除き、製造事業者の協力のもと、自主的に実施されています。メーカーの自主性に依拠したシステムですので、報告しなかった場合には罰則はありません。そのため、重大事故なのにメーカーの個別対応で済まされ、初期段階で防止できずに続発した事故がパロマ以外にも数多く指摘されています。速やかに報告内容や報告期限を定めた「報告基準」を整備し、罰則規定を盛り込んだ事故関連情報の「報告義務制度」を導入すべきです。


2 報告・収集された情報は公開を原則に社会で共有するシステムを構築すべきです

 「松下」「シンドラー」「パロマ」の事故についてはいずれも、事故の初期段階から関連情報の一部が関係行政機関に報告されていました。行政機関は事故続発の可能性を十分認識できたといえます。しかし、実際は報告・収集された情報について行政機関もメーカーも消費者に公開せず、結果的に、事故の再発防止へ向け積極的には活用されませんでした。貴重な情報が活かされず、死蔵状態で放置されていたことを示しています。公表されなかった理由として、企業も行政も「事故原因が明確でないうちは消費者に混乱を招く」という点を挙げています。

 このような考えである限り、重大事故は続発します。事故の未然・拡大防止へ向けては「予防原則」を重視すべきです。実際、健康食品については、ダイエット食品による健康被害事故が多数発生した3年前から、因果関係が明確でなくても事故に際してはその旨を記して商品名が公開されています。各省庁の施策整合性の面からも原因究明が当面不透明であっても、製品に関連した事故情報についてはすべて公開することを施策の原則に据えるべきです。

 その上で、個別製品ごとの危害・危険情報を社会的に共有化できる仕組みの検討に早急に着手すべきです。その際は、高齢者にも情報が届くよう、ホームページ情報だけに限らない共有化が必要です。主婦連では、病院、学校、介護・高齢者施設、公共施設などを中心に、各機関が連携した情報提供のネットワークを創設するよう要望しています。また、危険な製品の「一掃デー」(ラウンドアップデー)を設置するよう求めてもいます。


3 高齢者にも判別・理解できるよう「回収社告」の規格化を急ぐべきです。

 危害・危険を及ぼす製品の回収については、積極的な情報提供に努めるとともに、回収社告を規格化し、高齢者にも読みやすく、理解しやすいよう、改善を求めます。消費者に知らせるべきポイント、表現方法、活字の大きさなどをルール化することが必要です。


4 上記施策を一括して管理・遂行する「事故防止センター」(仮称)の創設を求めます。

 事故の未然・拡大防止には、現行の「縦割り体制」を改善し、製品横断的に一括して事故情報を収集・提供したり、事故対策・施策を遂行したりする第三者機関の設置が必要です。国境を越えた危険製品の対応についても国際的な情報共有化が求められており、それを担う機関としても第三者機関の設置が求められます。事故の未然・拡大防止には、業界・業種・行政管轄の枠を越え、横断的・総合的に対応できる独立した機関の設置が求められます。


 パロマ事故は被害者遺族の疑問が事態の深刻さを明らかにするきっかけとなりました。遺族の疑問がなければずっと埋もれた事故として放置され、今も知らずに製品が使用され続けていたことになります。このような状況は事故防止体制が無きに等しいことを示しています。上記要望を速やかに導入されることを求めます。

以上

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