おしゃもじ時評

『おしゃもじ時評』、主婦連たよりへの連載終了

『おしゃもじ時評』は主婦連たより2015年3月号にて、連載が終了となりました。
榎そのさん、長い間本当にありがとうございました。

(連載終了にあたり、「榎そのさん特集」を組んだ主婦連たより792号(2015年8月発行)の紙面より抜粋)

 榎そのさんの作品が初めて主婦連たよりに登場したのは1953年の8月号。最初は『やりくり夫人』という四コマ漫画でした。その後1975年7月号から一コマの風刺漫画『おしゃもじ時評』となり、2015年3月号まで、実に62年にわたり、榎さんの作品は主婦連たよりの紙面を飾り続けました。
 榎そのさんの『おしゃもじ時評』の持ち味は、可笑しみの中に込められた、時に「ブラックユーモア」とも言える鋭い表現にあるのではないでしょうか。常に庶民、弱い立場の人の側に立つ姿勢、優しさと研ぎ澄まされた鋭さを併せ持つ眼差し。何十年経った今見てもまったく古びない作品の輝き、先見の鋭さに、改めて驚かされます。

 

 

 

 細胞の一粒一粒に行動の要素はあっても、一粒では何も出来ません。同じ意思と目的をもつ細胞が結びついて形を成したとき、はじめて強力なパワーとエネルギーが生じ、巨悪に立ち向かうことができるのではないでしょうか。主婦連合会の細胞の一粒として永年、漫画を描かせていただいたことを誇りに思っております。

榎その

(「主婦連合会六〇周年記念「おしゃもじ時評でみる六〇年」より抜粋)

 

榎その~プロフィール

昭和2(1927)年東京新橋生まれ。20年桜蔭高女卒。23年共立薬専卒。25年杉浦幸雄氏の勧めで、漫画家スタート。『ひまわり』『少女の友』『平凡』『家の光』『婦人生活』、夕刊フクニチ、西日本新聞、共同通信、朝日新聞、読売スポーツ、などに連載。
現在、「おしゃもじ時評」(『主婦連たより』)は連載51年目、「役者絵」(『演劇界』)41年目、「インタビュー」(『月刊前進座』)21年目。“日、暮れて道遠し”の感慨です。「歌舞伎・文楽に寄せて」で第20回日本漫画家協会特別賞。