《少年法適用年齢の引き下げには反対です》

 

申し入れ・要望
法務大臣、法制審議会会長、法制審議会少年法・刑事法部会部会長 宛に下記意見書を提出しました。

 

~少年法は世界に誇れる日本の司法制度~

少年法適用年齢の引き下げには反対です

 

2019年2月21日

≪法務大臣、法制審議会会長、法制審議会少年法・刑事法部会部会長 宛≫

主婦連合会

 

 少年法の適用年齢を「20歳未満」から「18歳未満」へ引き下げることについて、法制審議会の少年法・刑事法部会で議論されています。民法の成年年齢に合わせるのがわかりやすいといった単純な理由で、委員の多くが引き下げに肯定的といわれています。少年法は大変有効に機能してきた制度であり、不十分な議論のまま適用年齢を引き下げる法改正がなされると、今後の社会に大きな禍根を残すことになります。

 少年司法は、非行の背景まで含めた丁寧な調査をし、更生のための教育を施して少年を社会に送り出す制度です。これは、少年たちの人生のためであることはもちろん、新たな加害者、被害者の発生を防ぐことで、社会全体の安心・安全、誰も取り残されない幸福な社会を目指す上で極めて重要な役割を果たしていると私たちは考えます。

 「凶悪な少年事件が増えている」という声がありますが、現実には少年事件は重大事件も含め、少年人口の減少率を超えて減少し続けています。「凶悪化」のイメージには、テレビやインターネットの影響が指摘できます。テレビで繰り返す報道、ネット上で増幅、拡散され、いつまでもネット空間に存在し続ける情報によって、世間に少年事件の蔓延や凶悪化のイメージが植え付けられていますが、統計が示す事実とは異なります。

 現在、少年事件の半数を1819歳が占めています。適用年齢を18歳未満に引き下げると、この者たちはそっくり、刑事処分を受けることになります。軽微な事件なら罰金刑で放免となり、再犯を繰り返すことになります。

 法律の目的や社会に与える影響を無視して、単に先行した制度の年齢に後から合わせるというのはまったく説得力がありません。事実、飲酒や喫煙、公営ギャンブルについては青少年の保護の観点から、「二十歳」が維持されています。

 多くの少年たちを更生させて社会に送り出している現行のシステムは、再犯率の低さからも、有効に機能していることは明白です。また、少年法はこれまで厳しくする方向で何度も改正されてきており、少年犯罪でも重大なものは成人と同じ刑事手続きとなります。これらを踏まえると、少年法適用年齢を引き下げる合理性、必要性はどこにも見出すことができません。

 主婦連合会は少年法適用年齢の引き下げに断固反対します。少年法は世界に誇れる日本の素晴らしい司法制度です。適用年齢引き下げの法改正をしないよう強く要望します。

 

以上