2025年5月2日
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
緊急声明「日米貿易交渉での農業・食の売り渡しに断固反対します」
米国トランプ政権の追加関税要求に対して、日米交渉が進められています。そもそもこの追加関税要求に正当性はありません。不当な要求には応じないで、各国と共同して米国に政策変更を求めるべきです。他国を出し抜いて自国だけよい条件を得ようという動きは国際的信用をなくすだけです。またこうした低姿勢な交渉は、対等であるべき国家間の話し合いとは到底言えず、より大きな譲歩を迫られるだけです。
私たちは、この交渉において、工業製品の輸出の確保と引き換えに、農畜産物輸入の大幅拡大と食の安全等に関わる基準を非関税障壁として大幅緩和されるのではないかと、強く懸念しています。米国政府の出している貿易協定プログラムには、これらの項目が列挙されています。
米国は従来から米や牛肉などの輸入拡大を日本に求めていて、貿易協定プログラムには他にも多くの農畜産物が挙げられています。米は私たちの主食であり、自給可能な穀物です。輸入を増やすのでなく、国内での増産を図るべきです。自給率の低い小麦や大豆、疲弊している畜産業の生産物である牛肉や豚肉などを大量に輸入することは、国内生産に壊滅的な打撃を与えることになります。牛肉その他の食料を大量に輸入することなく、国内農業を守ることを最優先に考えるべきです。
貿易協定プログラムには、収穫後農薬(ポストハーベスト)の規制、農薬残留基準、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)関連輸入条件について、いずれも緩和するよう求めています。工業製品の輸出のために食の安全が売り渡されることは、決してあってはならないことです。
私たちは、対米交渉によって日本の農業と食の安全が損なわれないよう、政府に強く要望します。
以上
<呼びかけ団体>
日本消費者連盟
<賛同団体>(2025年5月20日現在、17団体。賛同順)
遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン
照射食品反対連絡会
日本有機農業研究会
食と農を守る会徳島
バイオダイバーシティー・インフォメーション・ボックス
家庭栄養研究会
農民運動全国連合会
食政策センター・ビジョン21
食品表示問題ネットワーク
食と農から生物多様性を考える市民ネットワーク
食の安全・監視市民委員会
全日本農民組合連合会
主婦連合会
生活協同組合コープ自然派しこく
生活協同組合あいコープみやぎ
生活協同組合コープ自然派おおさか
食べもの変えたいママプロジェクト
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