会長 河村 真紀子
このたびの総会で、今期より新しく会長を務めることになりました。行き届かいない点があるとは思いますが、どのような問題にたいしても誠意をもって一生懸命に取り組む所存です。
昨年の初めに突然降ってわいたコロナ禍が地球を覆いつくした感のこの一年半余り。感染症の問題にとどまらず、社会の矛盾や不公平が、あぶり出しのように顕在化してきたように見えます。
「いのちとくらしを守る」は、主婦連合会が長年掲げてきたスローガンですが、このところ、この同じ言葉を菅総理が国会答弁や会見で繰り返し口にするのを耳にし、複雑な気持ちになります。感染拡大のリスクを払拭できないまま、東京五輪を予定通り行うことだけが目下の目標であるような政権ですが、それは国民が選んだ結果ということもできます。また、だからこそ、政治の在り方は私たちの力で変えられるものであるはずです。
「台所の声を政治に」という言葉もまた、主婦連の有名なスローガンです。グローバル化の時代、台所の問題は、世界の環境、労働、食糧、エネルギーの問題に直結しています。私たちは現在、人類史上の大きな転換点に立っていることは間違いありません。これからも発生するであろう未知のウィルスによるパンデミック、待ったなしの地球温暖化は社会経済のシステムそのものの見直しを、私たちに迫っています。
主婦連のように、衣食住はもちろん、環境や情報化などくらしのあらゆる側面の問題に長く取り組んできた消費者団体は、今や日本にそれほど存在しないと言えます。長い歴史は私たちの誇りですが、活動を担う会員の高齢化の問題は、わたしたちの深刻な課題であることは否定できません。
内外に大きな課題を抱え、責任の重さに立ちすくんでしまいそうですが、主婦連の活動の原点に返ることは、同時に未来に向けた一歩への心強い旗印になると信じています。
会員の皆さんと共に、着実に一歩づつ消費者運動を前進させ次の世代につないでいくために、非力ながら尽力いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。(2021年6月8日)
副会長 平野 祐子
副会長を拝命しました平野です。3期目となります。今年度は副会長が1名となり、今まで以上に重責を感じております。
さて、新型コロナウィルス拡大に伴いワクチン接種が進みつつあります。接種は体質などにより、希望していてもできない方もいます。心無いバッシングや配慮が十分されず疎外され心身ともに疲弊したり、不利益を被る方が増えることが懸念されます。そのような中、ワクチンパスポートの件も取りざたされています。
また、急激なデジタル化の中で消費活動をするにあたって大きな変化が否応無しに押し寄せてきています。
更に、ある日突然仕事や家を失う方の悲惨な状況が未だに連日報道されています。
本来、消費者基本法にある①生活の基本的ニーズの保障、②安全、③知らされること、④選ぶ、⑤意見を反映される、⑥補償を受ける、⑦消費者教育を受ける、⑧健全な環境の中で働き、生活する8つの権利が施策に反映されているとは思えません。主婦連が毎年掲げる基本方針「消費者の権利を確立し、いのちとくらしを守る社会をめざします」は主婦連の総則第3条(目的)にも掲げられ、長年運動を続けてきています。
今年度もこの方針に沿って河村会長と共に、活動をしていきます。引き続き皆様の温かいご協力をお願いいたします。(2021年6月8日)
歴代会長
奥 むめお 1948年~1989年
高田 ユリ 1989年~1991年
中村 紀伊 1991年~1995年
清水 鳩子 1995年~1999年
和田 正江 1999年~2003年
吉岡 初子 2003年~2005年2月
兵頭美代子 2005年2月~6月 (会長代行)
兵頭美代子 2005年6月~2008年6月
山根 香織 2008年6月~2015年6月
有田 芳子 2015年6月~2021年6月
河村真紀子 2021年6月~現在