2012年2月28日
内閣総理大臣
内閣副総理大臣
内閣府消費者担当大臣
消費者庁長官
消費者委員会委員長 宛
国民を番号で管理する「共通番号制度法案」に反対します
主婦連合会
政府は2月14日、年金手帳や健康保険証、介護保険証など、税金と社会保障に関する個人情報を一つのカードに収めるための「共通番号制度法案」を国会に提出しました。報道では国民を番号で管理することを通し、「個人の所得などがより正確に把握でき、きめ細やかな社会保障給付の実現につながる」「国民にとっても自分の情報が簡易に入手できる」「給付と負担の公平性が確保できる」などを理由としていると説明しています。
また、同制度は消費税率アップを導入する際の環境整備とも位置付けられ、消費税の増税を前提にした措置とも捉えられています。共通番号制度の導入は、いかに厳しく管理することを法律に明記してもあまりにリスクの高い措置と考えます。
そこで主婦連合会では同法案による「共通番号制度」の導入について以下の点で反対を主張し、法案の取り下げを求めます。
記
1、外国の例が報道されているように、「共通番号制度」を導入することによる個人情報の漏洩・悪用の可能性は否定できません。いかに厳しく管理することを法律に明記しても、一旦導入すると、情報漏れのリスクは格段に高まり、実際、防止できません。
2、一つの番号で個人の多様な情報を盛り込むことは、それだけリスクが集約されることを意味し、犯罪の増加にもつながりかねません。被害救済の環境整備が整っていない現時点では、利点以上に危険性の方が高いと考えます。
3、主婦連合会は消費税率アップには反対を主張しています。共通番号制度導入が、反対の多い消費税率アップに伴う環境整備として位置付けられていることは、多くの消費者・国民の意向を軽視するものです。閣議決定にいたる過程も、低所得者への還付等制度の内容も不透明なまま、消費者・国民の意向を反映せずに、その消費増税に必要なインフラとして安易に共通番号制度の導入を図る措置は本末転倒と言えます。法案の撤回を求めます。
以上