2013年3月15日
TPPへの交渉参加に断固反対する緊急アピール
主婦連合会
安倍首相は、多くの消費者・国民の反対を顧みることなく、本日3月15日、TPP交渉への参加を正式に表明されました。TPPは、従来の貿易協定とは異なり、日本社会に重大な危険や不利益をもたらす協定であることを踏まえ、主婦連合会は、次の理由から、安倍首相の参加表明に強く抗議するとともに、改めて、協定参加に反対を表明します。
1.TPPは、全ての物品関税の撤廃をはじめ、貿易障壁とされる「サービス」「制度」についても規制の緩和・撤廃を前提とするものです。協定交渉の対象は24分野にもわたり、医療・教育など、影響は広範囲にわたります。TPPは、消費生活をいっそう困難にさせ、暮らしをいっそう不安にさせます。
2.TPPは、消費生活の基本である「食の問題」を深刻化させ、食の安全政策を後退させ、日本の農畜産・水産業に壊滅的打撃を与え、自給率を急激に低下させます。「安全・安心」な食料政策とは反対の措置であり、食卓に不安をもたらします。
3.TPPは、あらゆる規格・基準を協定の対象にし、緩和・撤廃を促します。農薬残留基準といった食品の安全規格、環境保護基準、製品安全基準などの国レベルの各種基準をはじめ、地方公共団体が運用する地域の規格・基準についても例外ではありません。
4.TPPは、これまで消費者運動・市民運動などが勝ち取ってきたあらゆる制度導入の成果を台無しにする協定です。食品の表示制度や、環境保護制度、国民皆保険などの「医療・年金・介護・子育て」に関連する社会保障制度も大きく後退させます。改善が必要な遺伝子組換え食品や食品添加物の表示制度などについても、協定交渉の対象とされ、緩和・撤廃されます。
5.TPPは、私たちが望まない方向に経済構造の転換を図るものです。数百万人の雇用機会が失われるとの試算もあります。地域経済に重大な影響を与え、いっそうのコミュニティの崩壊を招きます。
以上