2018年11月3日
消費税率の引き上げ中止を求める声明
主婦連合会
安倍晋三首相は10月15日の臨時閣議で、来年10月に消費税を10%へ引き上げると表明されました。消費税率のアップは、消費生活に甚大な影響を与え、社会保障制度の改革・改善への道筋が極めて不透明な中では、いっそう消費生活への圧迫や貧困・格差を助長していくものです。主婦連合会は消費税の引き上げ中止を求め、以下の通り意見を表明します。
記
1. 消費税は所得の低い人ほど負担の大きい逆進性を特徴とします。日本生活協同組合連合会の「消費税しらべ」によれば、2017年の、収入に占める消費税負担額の割合は、年収400万円未満世帯で5.72%と、1000万円以上世帯の2.80%と比較して2倍強となり、2016年の調査よりもその差が開いており「逆進性」がはっきり示されています。また、同「全国生計費調査」では、給与所得世帯の実収入は微増傾向が続いていますが、それ以上に税と社会保険料による支出の増加が上回り、実収入に占める税金と社会保険料の合計の割合は22.1%と過去最高となっています。このような中で消費税増税を強行すれば、消費生活への圧迫は多大であり、また消費不況も一層悪化することは必至です。
2. 消費税増税の前に、所得税の最高税率の引き上げ、金融所得への課税強化や、輸出大企業が消費税の還付を受ける「輸出戻し税」のしくみを見直すなど、税制を公正・公平なものにする改革が先になされるべきです。
3. そもそも財政再建へ向けた歳出・歳入の監視努力が尽くされていません。消費増税の前に、約束された身を切る改革、すなわち議員定数削減、議員の歳費、国家公務員の給与の見直しを行うべきです。また、防衛予算、五輪関係予算についても大幅な見直しがはかられるべきです。
以上の理由から、主婦連合会は消費税率アップに断固反対を表明し、消費者の意見を十分反映させることを保証した、消費税率アップに頼らない税制改革の実施を求めます。
以上