【意見書】全国どこに住んでいても消費者の安心安全が守られるよう地方消費者行政への思い切った財政措置を求めます

2025年4月18日

内閣総理大臣
消費者及び食品安全担当大臣
消費者庁長官 
消費者委員会委員長

 

全国どこに住んでいても消費者の安心安全が守られるよう
地方消費者行政への思い切った財政措置を求めます

主婦連合会

 

全国自治体の消費生活相談員の人件費等に10分の10の補助率で活用されてきた地方消費者行政強化交付金推進事業分が2025年度末には多くの自治体で活用期限の終了を迎えることで懸念が広がっています。

消費者庁創設後、地方消費者行政推進に力を入れ、全国自治体の消費者センターや窓口の設置数が大幅に伸びたこと、そのために様々形を変えながら、地方への財政支援措置が継続されてきたことは評価できます。ただこれまでを振り返ると、時限的な財政措置が終了を迎えそうになる度に、地方行政の現場で懸念や危機感が広がり、様々な団体から意見があがり、それを受けてまた新たな時限的財政措置が実施されるということが繰り返されて来ました。

消費生活相談員の雇止めの問題、このままでは相談窓口が継続できない、消費者啓発すら予算がなくて行えなくなる懸念などは支援策の切れ目に毎回指摘されてきました。またPIO-NETに入力された相談情報は国民生活センターに集約され、国レベルの様々な政策立案や法執行のために分析、活用されていることから、国の事務としての恒久的な財政措置をすべきという問題意識は、消費者庁創設時から繰り返し消費者団体などが表明してきたところです。

消費者被害の件数は近年高止まりである中、訪問販売による悪質で高額被害の事例が、特に高齢者世帯で増加しています。訪問販売が、凶悪な犯罪行為の入り口になっていることも指摘されています。超高齢化が進み、高齢夫婦のみ、あるいは高齢単身の世帯が増加し続けています。地方消費者行政は消費者・市民のいのちと暮らしを守る最前線であり、その後退は被害者、被害額の増加に直結します。

本年3月に閣議決定された消費者基本計画にもPIO-NETを通じた情報収集は国及び地方公共団体の消費者政策の基盤であること、また消費生活相談員の担い手不足などにより行政サービスの水準が低下することのないよう適切な対策を講ずると明記されています。今こそ、地方消費者行政を安定的に支援する思い切った財政措置を求めます。

上記を踏まえ、以下の通り意見を述べます。

 

 

1. 地方消費者行政を国が安定的恒久的に支援するための財政措置を実現してください。

2. 国が進める消費生活相談のデジタル化に伴う費用を国の責任で支援してください。

以上