2022年10月28日
内閣総理大臣
デジタル大臣
消費者担当大臣
厚生労働大臣
消費者庁長官
消費者委員会委員長 宛
健康保険証との一体化による
「マイナンバーカード」の実質義務化の撤回を求めます
主婦連合会
10月13日、政府は現行の健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替えると発表しました。
2016年に交付が開始されたマイナンバーカードの取得は本人の意思に委ねられており、本来任意のはずのカード取得を実質義務化することに私たちは断固として反対します。マイナンバーカードについては強制や義務化、ポイント付与、また他の証明書(保険証、運転免許証等)と一体化するといった手段ではなく、国民が十分に納得できる丁寧なプロセスをとることが重要です。
健康保険証は日常的に持ち歩き、頻繁に手荷物から出し入れして使用します。特に高齢者が使う機会が多いことも考え合わせると、他のものと一体化しないことによって様々なリスクを回避すべきです。このままでは「マイナ保険証」の紛失や盗難、暗証番号の失念、暗証番号を何度も間違えることによるカード機能の停止などの事態が今後頻発し、多くの市民に不安と不利益を与えることは必至です。
政府は個人に付与する番号が一つであっても利用する組織によって分散管理していると説明していますが、G7をはじめとして多くの国で義務化した共通番号制度の運用は挫折もしくは中止になっています。マイナンバーで多くの事柄を管理しようとする方針は撤回すべきです。
以下の通り意見を述べます。
記
1. 健康保険証をマイナンバーカードへ統一するという政府方針を撤回し、現行の保険証と併存させること。
2. 国内外で既に、行政による情報の収集・管理・活用の過程で、個人情報流出・漏洩・悪意に基づく活用が発生していることに鑑み、このような事態における被害救済およびプライバシー権を保障するための制度を政策的に検討し確立すること。
3. マイナンバーカードのデータ活用、紐づけを拡大しないこと。
以上