【要望書】《独立行政法人国立女性教育会館の統合反対についての要望書》

《独立行政法人国立女性教育会館の統合反対についての要望書》
2004年10月15日

《内閣官房長官 細田 博之、総務大臣 麻生 太郎、文部科学大臣 中山 成彬、独立行政法人に関する有識者会議座長 飯田 亮、政策評価・独立行政法人評価委員会委員長 村松 岐夫  宛》

 

「独立行政法人に関する有識者会議」は、国立女性教育会館を国立オリンピック記念青少年センター、国立青年の家、国立少年自然の家と統合する案を示したと9月23日付けの新聞各紙で報道され、驚愕しました。

国立女性教育会館は、男女共同参画社会形成をめざす独自の理念と目的を持ち、その社会的な位置づけや基本的機能は上記の青少年関係施設とまったく異なります。

国立女性教育会館は、海外及び国内各地で取り組まれている女性団体、消費者団体をはじめとした諸団体の活動を結びつけ、連携・友好を促進させるナショナル・センターとしての役割も果たしてきました。海外の消費者団体からも高い評価を受けています。設立以来、ESCAP地域婦人情報ネットワークセミナー、家庭教育国際セミナー、女性学・ジェンダー研究国際フォーラム、女性の生涯学習国際フォーラムなどを主催する一方、160カ国以上の国6万人近い外国人が利用しており、ナショナル・センターとしての活動は、国内に留まらず、アジアをはじめとする海外の国々においても、高い評価を受けています。

また、日本の消費者8団体が協力して【IOCU(国際消費者機構、現在はCI)】「日本国際セミナー」を開催。海外21カ国2地域が参加しました。これは、日本で初めて消費者団体が主催した国際消費者会議で世界各国政府をはじめ消費者団体から高い評価を得ました。

しかしながら、日本は男女共同参画社会への明確な指向を持つにもかかわらず、男女平等や女性の権利保護などに関して、国際社会から厳しい目で見られているのが現状です。

このような状況のもとで、男女共同参画社会形成のシンボルともいうべき国立女性教育会館の独立性を奪うことは、この問題に関わる日本政府の努力に水を差し、国際的な評価の低下を招きかねません。

国立女性教育会館の基本的機能は、独自のものであり、部分的な共通点や類似点を理由に他の法人等と統合されることによって、その独自性が失われることは、本来の目的を達することをできなくしてしまいます。

私たちは、会館が本来の力を発揮し、男女共同参画社会の形成に向けて前進することを望みます。

以上の観点から、独立行政法人国立女性教育会館を他の独立行政法人と統合することなく、独立の法人としての存在を強く要望します。

以上