《「標準による消費者の利益を増進するコア・グループ」(NCOS)を特定非営利活動法人として認証しないよう求めます》
2003年4月17日
《内閣府国民生活局 市民活動促進課 宛》
2月17日に特定非営利法人(以下NPOとする)として認証申請している上記団体について、次のような問題があります。よって、NPOとして認証しないことを求めます。
1.「標準により消費者の利益を増進するコア・グループ」(以下NCOSとする)は、3月24日、日本工業標準調査会の消費者政策特別委員会に配布された資料にあるように、経済産業省が中心となって発足を準備したものです。このことは経済産業省も認めています。市民からの意向ではなく、中央行政機関が発足の計画を練り、率先して準備し、そのことを当の行政機関が何のためらいもなく公的な場で明らかにするようなNPOは、現行法では違反ではないとはいえ、本来のNPO制度の趣旨に反するものです。あからさまな官製NPOであることが判明してなお、それを認証することは、NPO制度の根幹を揺るがすものとなります。
2.定款にある「主たる事務局」の住所には経済産業省の外郭団体(財)日本規格協会があり、同協会が事務局を担うことになっています。しかし、なぜ(財)日本規格協会が事務局を担うことになったのか明らかになっていません。
3.NCOSの「定款」第5条には「事業」について記載されています。その?には「支援事業」として、『規格を策定している団体や日本工業標準調査会の委員として、正会員、一般会員の中から専門家を選び、推薦する。それによって消費者の要望を規格に反映する』と記載されています。ここでいう「委員」とは、経済産業省が委嘱する国の審議会委員のことであり、NCOSに会員として参加することによって国の審議会に委員として参画できることを示しています。
委嘱は経済産業省との合意なしではできません。定款はNCOSを委員委嘱の窓口にすることを表明したものであり、経済産業省の意向が盛り込まれています。これでは国の施策に幅広く消費者の意見を反映させる道をかえって狭めることになります。
4.消費者団体はこのようなNCOSの認証申請が準備されていることを今年3月の経済産業省の委員会の場で初めて知りました。NCOSが定款で定めているさまざまな活動に取り組んできた消費者団体関係者には、それまで何ら説明もありませんでした。そこで、急遽、経済産業省の担当官を招いて説明会を開催しましたが、納得ある回答はありませんでした。
5.NCOSNPO認証には現在、多くの消費者団体が反対しています。このような状況のまま認証するならば、NPO制度自体への信頼が大きく揺らぐことになります。
したがって、認証しないよう要求します。
【賛同団体】(4月17日現在)
全国地域婦人団体連絡協議会、特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟、 日本消費者連盟、アルコール薬物問題全国市民協会、主婦連合会