【意見書】《新市場創造戦略会議に申し入れ》

《新市場創造戦略会議に申し入れ》
2000年10月3日

《新市場創造戦略会議  宛》

 

主婦連合会は1948年に設立以来、「命とくらしを守る」運動を続けている消費者団体です。

私たちは、多くの団体と共に「きれいな空気を求めて」年2回、東京都内の大気汚染測定を20年以上続けています。大気汚染の主な発生源は自動車で、特にディーゼル車の排気ガスは呼吸器疾患と浮遊粒子物質の発ガン性などが大きな問題になっています。

東京都の自動車行政に責任があるにもかかわらず、一向にきれいにならない空気によって、多くの呼吸疾患者が増え、苦しんでいます。東京都が認定している呼吸疾患者は18歳以下に限られ、医療助成も受けられない多くの患者は、苦境に陥っているのが現状です。止むにやまれずに東京大気汚染公害裁判を提訴されている方々もいます。

このように深刻化する大気汚染を背景に、主婦連合会では、これまでに環境庁や東京都に、せめて環境基準を達成させるよう規制策強化を求めてきました。また、東京都が展開している「ディーゼルNO作戦」と同じような提案もしてきました。

この度、東京都がディーゼル車をより低公害な自動車に代替するよう具体的な取り組みを進めるために「新市場創造戦略会議」を設置したことは、遅きに失した感はあるものの、私たちが求めてきたディーゼル車削減が取り上げられ嬉しく思っています。

私たちは、貴会議で具体策を打ち出し、ディーゼル車が一日も早くなくなることを期待すると同時に、強い関心を持って注視しています。さらに、「自動車ユーザー」間における共同配達などを行うことによって、自動車の総量を削減し、自動車中心ではなく、人間中心のくらしやすい、安全で安心な生活環境を確保することを求めます。