《アルコールCM全廃についての要望書》
1998年4月22日
《ビール酒造組合・日本酒造組合中央会・日本蒸留酒酒造組合等業界団体 宛》
酒類飲料は、致酔性・依存症という特徴をもつ特別な商品です。
過度の飲酒は、肝臓障害など多くの疾患の原因になったり、長期における飲酒はアルコール依存症にもなります。また、「イッキ飲み」「粗相コール」などで短時間内の大量飲酒による急性アルコール中毒で死亡者も出ています。また、未成年者の飲酒は増加する一方で、高校3年男子は3人に1人が月に1?2回お酒を飲んでいる、男子はビール、女子は果物味の甘い酒を好んで飲んでいる、との報告もあります。
主婦連合会は、他の媒体と比べ、テレビCMが若者に与えるインパクトは非常に強く、影響は大きいと考え、「酒とタバコのCMの実態と在り方」について調査しました。
その結果、「お酒は20歳を過ぎてから」「お酒は20歳になってから」等、ほとんどがあいまいな表示であることが分かりました。そのような注意表示を一瞬、無言で流しても、未成年者飲酒防止に効果があるはずがありません。
また、「からだにやさしい」「飲みやすい」等を強調したCMが多く、飲酒による妊婦への危険性・肝臓疾患・急性アルコール中毒・アルコール依存症等デメリットには一切ふれられていません。
このようなCMが流れることは、酒類自動販売機で無差別、野放しに販売するのと同様で、未成年者の飲酒やアルコール依存症を増やす大きな要因となります。
主婦連合会は、以下の事項を要望します。
記
アルコールの致酔性・依存症という特性を考慮し、酒類のテレビCMを全廃すること。
以上