《食品の不当表示是正についての要請》
1996年6月3日
《農林水産大臣、厚生大臣、公正取引委員長委員長 宛》
最近、牛乳、パン、納豆、豆腐などの食品に、消費者を欺瞞する表示が続発しています。
報道された最近の表示違反を見ると、『牛乳』『成分無調整』の表示をしながら クリーム、脱脂粉乳、水などを混ぜて販売していた事例をはじめ、パンの先付け製造年月日表示、納豆、豆腐の100%国産大豆使用表示に輸入大豆を相当量混入していた原産国表示違反など目にあまるものがあります。
表示は消費者の商品選択の重要な情報手段であり、表示のルールが守られるのが前提であることは言うまでもありません。しかるに、このような事業者の低いモラルの実態が露呈されるようでは消費者は安心して商品を選択することができません。
また、規制がある現在でさえ、このような事件が頻発するのでは、規制緩和が進められた場合、事業者の責任を問えるのか深い疑問を感じます。
他方、規制緩和は消費者の消費者の自己責任を求めています。
消費者が自己責任を取るためには製品選択が可能な表示等、適切な情報伝達がされることが大前提であることは申すまでもありません。
今回の不祥事について、事業者の処分をはじめとした厳正な処置を取り、再発防止のため適切な施策を取られることを強く要請します。
以上