《持株会社の解禁に関する申し入れ》
1996年2月8日
《小粥正巳公正取引委員会委員長 宛》
公正取引委員会は株式会社を禁止している独占禁止法9条を改正する作業を進めています。公正取引委員会の設置した「独占禁止法4章改正問題研究会」が取りまとめた報告書は、持株会社禁止制度については事業支配力の過度の集中の防止という独占禁止法第1条の目的規定を踏まえ、これに反しない範囲内で見直すことが妥当であるとの前提を示した上で、制度の目的に反しないと考えられる類型をあげています。
主婦連合会は長年にわたって独占禁止法の強化改正に向けて運動を続けてきました。
今回の持株会社禁止制度の見直しにつきましても株式持合、企業集団、系列等といった我が国独特の非競争的な産業構造の中で持株会社制度を緩和することは事業支配力の過度集中に拍車をかけるのではないかとの懸念から慎重な対応を求めてきました。
しかるに、昨今の報道によれば研究会報告書よりも大幅に緩和して全面解禁に近い独禁法の改正案が検討されているとのことで、重大な危惧を抱かざるを得ません。
独占禁止法の精神を歪めることのないよう、すくなくとも事業支配力の集中傾向を助長するような持株会社の解禁は行うべきではないと強く申し入れます。
以上