2006年6月13日
内閣総理大臣
国土交通大臣
経済産業大臣
厚生労働大臣 宛
重ねて「総合的事故防止策の構築」を要望します
~「シンドラーエレベータ死亡事故」はなぜ発生したのか~
主婦連合会
主婦連合会では、2005年12月に「松下FF式石油温風機事故」を契機に、身の回りの製品による重大事故発生の防止へ向け、「総合的事故防止策」を構築するよう関係省庁に要望しました。ところが実効性ある行政施策が一向に取り組まれないまま、この6月には「シンドラー社のエレベータ死亡事故」が発生し、尊い高校生の生命が奪われてしまいました。この事故の背景・経緯が明らかにしているのは04年3月の「六本木ヒルズ回転ドア死亡事故」や「松下FF式石油温風機死亡事故」など、数年来の重大事故・事件が全く教訓化されていないことです。
対応は依然として「後追い的」で、自治体・国など監督官庁の「縦割り行政の弊害」が目立ち、事故防止対策は極めて不十分なままとなっています。このままでは今後も重大事故は相次ぎ、そのつど、対処療法的対応で済まされてしまいます。主婦連合会では事故の未然・拡大防止を図るために、以下のような施策が速やかに取り組まれる必要があると考えます。早急な総合的事故防止策の導入を重ねて要求します。
記
1.事故関連情報の報告義務付けを全ての事業者に課すこと
「危害・危険情報」を収集する観点から、全ての製品を対象に、メーカー・メンテナンス業者・流通業者・販売店など全ての事業者に報告義務付けを課すべきです。
2.食品を含む全ての消費生活関連製品にリコール制度を導入すること
速やかな回収・改善等の実施を図るべきです。
3.収集された事故関連情報を社会的に共有化する仕組みを創ること
ネットによるポータルサイトだけでは不十分です。高齢者はじめ一人一人の消費者への確実な情報提供・共有化を可能とする体制を制度として構築すべきです。
4.「回収社告」などを高齢者にも判別・理解できるよう規格化すること
消費者にわかりやすく、簡潔な内容の社告となるよう抜本的改善が必要です。
5.危害・危険製品に関する一掃デー(ラウンドアップデー)を設置すること
学校、病院、消費生活センター、高齢者用施設など、公共・民間機関などが参加した「危害・危険・欠陥商法一掃デー」「周知デー」を機動的に実施すべきです。
6.上記施策を一括して管理・遂行する「事故防止センター」を創設すること
国内対応だけではなく、国境を超える欠陥商品への対応としても業界・業種・行政管轄の枠を超え、横断的に対応できる独立した機関の設置が求められます。
7.PL(製造物責任)法を改正し欠陥マンションも含めるなど対象を拡大させること
PL法を改正し、被害者立証困難性の改善、開発危険の抗弁削除、団体訴権や内部告発者保護の規定などを盛り込み、マンション不動産なども対象に含めるべきです。
以上