【声明】《牛乳へのPETボトル使用拡大に反対の声明》

2006年2月7日

牛乳へのPETボトル使用拡大に反対の声明

主婦連合会

 食品安全委員会は1月18日、PETボトルを牛乳容器として使用する際の健康影響評価結果をまとめ、「容器に入った牛乳等が適切な条件下で管理される限りにおいて」という条件付きで、「牛乳等に使用しても十分な安全性を確保している」とする検討結果を発表しました。パブリックコメントに付された後、正式に食品安全委員会の意見として厚生労働省に提示されます。主婦連合会では、牛乳等にPETボトル使用を拡大することは安全・衛生上の問題と、環境影響の面で問題が多いと考え、以下の理由から使用適用の拡大には反対を表明します。

1 PETボトルは、その特性上、持ち歩き可能で、飲みかけの中身であっても、ふたをすれば保存できる容器です。そのPETボトルの使用を牛乳等にまで拡大することは、牛乳等の適正な保存環境が損なわれる可能性を意味します。これは、食品安全委員会が評価の前提とした「容器に入った牛乳等が適切な条件下で管理される限りにおいて」という要件に合致しません。安全・衛生上の危険性が伴うものですので、牛乳等への使用適用拡大には反対します。

2 PETボトルはリデュース、リユース、リサイクルという「3R」の観点から考えると、本来、最もリデュース(発生抑制)の対応が求められる容器であり、現在、最も減量化が必要な容器となっています。私たち消費者団体は、かつてビールの使用拡大に反対し、現在も使用を阻止しています。これ以上のごみ発生源となるPETボトル容器の生産・普及には環境面からも問題が多いものです。

3 牛乳等への使用拡大の理由が問題です。報道によると牛乳業界は需要が高まるよう消費者のファッショナブルな飲用方法を期待しているとのことですが、そのような飲用方法は中身が牛乳であるからこそ、安全・衛生上の面から事故発生の原因となりかねません。

 牛乳は流通・保存段階はもとより、飲用するまでの品質管理に注意が必要な飲料です。PETボトルの適用拡大はこのような安全・衛生上の注意が軽視され、環境上の面からも大きな問題があります。

以上