2010年5月24日
地上デジタル放送推進に関する検討委員会 宛
総務省情報通信審議会 地上デジタル放送推進に関する検討委員会(第54回)にあてた意見
主婦連合会
1.生活保護を受けておらず、かつ生活保護世帯の水準あるいはそれ以下の経済状態で暮らしている世帯が、多く存在する。これらの経済的困窮世帯への援助策を早急に検討すべき。
それは、エコポイントなど「大きく」「高額な」テレビに買い換えるほど有利という施策ではなく、経済的に困っている人々に一番有利な援助策であるべき。
チューナーは十分安いということであれば、受信対応へかかる経費への援助はできないか。
アンテナ買い替え、増幅器や分配器の買い替え、室内配線の交換など、予想外に高額な料金がかかる場合がある。
このような受信対応にかかる料金の一部を国が負担することはできないか。
簡易なチューナーを買った人に向けた、何らかの援助という条件ではどうか。
2.簡易なチューナーを買った人には、受信に関する訪問相談を無料で受けられるチケットなどを配ってはどうか(希望者が申し込む)。
一番困っている人をターゲットにしたキャンペーンが必要ではないか。
3.ケーブルテレビ事業者のデジアナ変換に関して。
時限措置であることと、たとえ月額が安くても1年、2年と月額利用料を払うとアンテナを買い換える経費ぐらいになること。
時限措置が終了したら、結局なんらかの受信対応が必要であることなどを、消費者に説明する必要がある。
4.「停波」が予定通り行われるとしても、最低限、2011年7月24日まで、普通の放送を流すべき。
特にNHKは国民から受信料をとった上で、放送番組を流さないというのは許されない。「お知らせ画面」は国民にとって「放送」ではない。
推進する人々は、国民の中には様々な状況の人がいることを理解する必要がある。
高齢や病気など、様々な理由で地デジへの対応をあきらめている人も存在する。
自覚の上でそのように決めている人も含め、2011年、7月24日までアナログ放送でテレビ番組が見られることは、非常に大切なことで、放送局と国民の約束。放送局の責務。
その日までしかテレビを見られない人のことを想像してみる必要がある。
一方、お知らせ画面の必要性は理解できる。
2011年7月24日以降、なるべく長くお知らせ画面が続くことが混乱の収拾に役立つだろう。
「停波とは、お知らせ画面も止まること」だと、関係者は言うだろうが、国民の目線で考えてほしい。
「停波」とは、番組が見られなくなること。
したがって、「厳密な意味での停波」(電波を止める)は2011年7月24日以降に遅らせる法改正が必要。
5.上記4.は、2011年7月24日の「停波」という現在の予定を軸にした意見。
言うまでもないが、万一、2011年7月24日という現行の定めにより、国民の多くに見過ごせない不利益、不都合、混乱があることが予想される場合には、「放送番組を流す期間」を更に延長することも検討する必要がある。
以上