【声明】《BSE対策の大幅緩和措置への反対を表明し、その見直しを求めます》

申し入れ・要望

 2013年1月30日

BSE対策の大幅緩和措置への反対を表明しその見直しを求めます

主婦連合会

厚生労働省は1月28日、米国やカナダ産輸入牛肉などに対するBSE(牛海面状脳症)対策を見直し、米国での検査実態に疑問が指摘されているにもかかわらず、輸入対象を20カ月齢以下から30カ月齢以下へと拡大する措置を決定しました。あわせて、特定危険部位(SRM)の除去義務について、これまでは全月齢の牛が対象だったものを、30カ月齢以下のものについては、扁桃と回腸遠位部以外は除去する必要がないという、大幅な緩和策を導入することを明らかにしました。

国内対策でも、検査対象を現行の20カ月齢超から30カ月齢超へと引き上げ、SRMの除去も輸入対象と同様の緩和となります。

米国産輸入肉に対しては現地のBSE検査体制や飼料の管理体制に大きな疑問がありますが、日本政府はその点について厳しい対応を米国政府に求めてきていません。私たちは米国内での検査割合の少なさ、月齢確認の不完全性、トレーサビリティ制度の欠如などを問題だと考えています。

もともと、日本では21カ月齢などの非定型BSEが大きな問題となりました。しかし、その発生原因は依然、専門家の間でも明確になっていません。緩和措置の結論を出すには早計すぎます。

以上のことから、今回の大幅な規制緩和の決定は、変異型クロイツヤコブ病(vCJD)罹患のリスクを高め、消費者の不安を増長させ、健康被害防止措置を大きく後退させるものと考え、今回の緩和措置について反対を表明するとともに、その見直しを要求します。

以上