【要望書】《カネボウ化粧品事故についての要望》

申し入れ・要望

 2013年7月29日

 株式会社カネボウ化粧品 代表取締役社長 宛

カネボウ化粧品事故についての要望

主婦連合会

御社を含む3社は7月23日、医薬部外品有効成分「ロドデノール」の配合された「美白用化粧品」を使用した消費者のうち、「白斑様症状」についての申し出が6,808人、実際に白斑症状を被ったとする申し出が2,250人にものぼったことを公表されました。また、御社は社内に特別委員会を設置して原因究明や治療対応への情報提供を推進していく、としています。

しかし、当該化粧品の回収対象が当初の54品目から71品目へと追加・拡大されたこと、436万個という膨大な出荷数に比べ、回収数が回収発表から15日後の7月19日現在も、多く見積もって86万個という現状は、被害拡大の可能性が依然払拭できない危険な状況にあることを示しています。

早急な回収活動の推進、被害者救済策、原因究明の促進、適切な治療の確立と実施、その情報提供など、事業者として取り組むべき課題は山積しています。

主婦連合会では、大量販売商品に対する今回の回収措置について、「茶のしずく石鹸事故」の教訓が活かされず、事故発生以降の事故情報の収集・分析、発信、回収にいたる過程で、軽視できない問題があったことを指摘せざるを得ません。そこで、事故の再発防止へ向け、以下の点を要望します。

なお、どのように対応されたか8月20日までにご回答いただきたく、よろしくお願いいたします。

1.適正な回収を早急に実施するために、製造・流通・販売・消費者対応に関連する全ての社内部署が連携するとともに、対応にあたっては、カネボウ化粧品を中心に関係事業者全体で取り組むこと。その際は、販売店や流通業者、消費生活センター、自治体担当部署などとの連携を重視すること。

2.定期的に回収情報を発信し、新たな事故発生情報の入手に際しても、被害事例の迅速な対応に取り組むこと。被害の事実を正確・適正に把握し、すべて公表すること。

3.原因が明確ではない現状にあっても、被害者に対しては、真摯かつ迅速に消費者対応を推進すること。

4.医師からカネボウへの被害事例の指摘は「今年5月」とのことですが、その時点でなぜ公表できなかったのか、公表していたら、少しでも被害の拡大防止に寄与したことが推測されることから、対応が遅れた理由について明らかにし、今後の事故防止に役立てること。

5.海外での被害及び回収状況も把握し、各国との連携を図ること。

以上