2012年9月12日
消費者庁長官 宛
国民生活センターの消費者庁への一元化は消費者行政の後退につながります
~さらに検討が必要です~
主婦連合会
消費者庁は9月7日、平成25年度概算要求額を公表し、国民生活センターについて、平成26年1月をもって消費者庁に移管するための要求事項を盛り込んだことを明らかにしました。同センターは、独立を保証した法的担保に基づく「特別の機関」として組織替えされ、消費者庁に移管されるとのことです。
主婦連合会は、国民生活センターは消費者庁、消費者委員会などと並び立つ独立した機関として存続することが必要と訴え、消費者庁への移管については反対を主張してきました。この移管・一元化問題が独立行政法人改革の一環として、独法としての国民生活センターを一律に検討対象に加えられたことが議論の前提にあったことも問題です。
今回の政府の判断は同センターを「特別の機関」として位置付け、独立性を確保するために法的担保を与え、それを消費者庁に移管するというものです。
しかし、消費者庁に移管しながら独立性を担保することは大きな矛盾であり、そもそも、「特別の機関」の内容も具体的イメージも明確になっていません。にもかかわらず、予算要求で既成事実を積み上げる措置はあまりに短兵急であり、納得できるものではありません。相談・あっせん・ADR(裁判外紛争解決手続)に関する機能発揮についても課題が残ったままです。
主婦連合会は、消費者庁設置法付則第3項や消費者庁設置時の国会付帯決議などに基づく、総合的消費者行政の検討を深める中で、国民生活センターの位置付け、組織のあり方を検討していくべきと考えます。
最初から消費者庁への移管を前提とした議論は必ず消費者行政の後退つながることから、今回の「特別の機関」の設置には反対を表明するとともに、消費者庁の適正な対応を求めます。
以上