【質問状】「ウコンの力」のテレビCMに関する質問状

申し入れ・要望

 2014年3月28日

 ハウスウェルネスフーズ株式会社 代表取締役社長 宛

「ウコンの力」のテレビCMに関する質問状

主婦連合会

以下は、貴社が放映中の「ウコンの力」のテレビCMです。

――歓送迎会のシーズンですね。
「二日連続だぞ。大丈夫か」とか「朝一で大事なプレゼンだぞ、大丈夫か」なぁんて心配はおいといて。とことん盛り上がりましょう。歓送迎会に「ウコンの力」。

「ウコンの力」は食品であるにもかかわらず、飲酒する前に摂取することで、飲酒リスクを軽減・回避できるといった暗示が含まれた内容です。ウコンの力を飲んでおけば、「飲み過ぎても悪酔いや二日酔いにならない」→「たくさん飲んでも大丈夫」との誤解を消費者に与えかねず、看過できません。

昨年12月に消費者庁が提示した「いわゆる健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項」では、商品・サービスの表示について事業者は、消費者に誤認を与えないよう、その表示内容の根拠を明示するよう求められています。

そこでCMの次の点について、貴社に「根拠」の明示を求めます。
(1)「飲み会二日連続、大丈夫」との表示は、どのような根拠からのものか?
(2)「歓送迎会にウコンの力」との表示は、どのような根拠からのものか?

2014年4月7日までにご回答ください。ご回答の内容は公表させていだきます。

 


 

CMでいたずらに「ウコン神話」(誤解)を広めることの問題点

1.ウコンを飲めば、飲めない体質の人が飲めるようになるとの誤解
2013年12月、飲めない体質の人から以下の電話がASKにかかっている。
――職場で、「ウコン飲めば飲めるようになるから」と言われ、飲み会でウコンの力を飲まされつつ、アルコールも飲まされて、体調を崩している。CMが、飲み会前にウコンの力を飲んでおけば悪酔いしないかのような印象を与える。問題である。
この点に関して、同年12月9日、ASKがハウスウェルネスフーズのお客様相談センターに確認したところ、「ウコンの力は食品なので効果・効能は一切ない」との回答だった。
「CMでは直接『飲めるようになる』とは謳っていないが、そう受け取れる表現で誤解を生じている」と注意を促したところ、担当者は、「CMによって、そういった認識を持ってしまう方がいることは、申し訳ない。表現方法について、気をつけるよう関連部署に伝える」と述べた。しかし、その後も同社のCM路線は変わらない。

2.ウコンを飲むとアルコールの分解が早まるので、たくさん飲んでも大丈夫との誤解
職場研修を実施しているASK認定飲酒運転防止インストラクターから、以下の意見が数多く届いている。
「飲む前にウコンの力を飲んでおけば、多量飲酒しても翌日に残らない。アルコールの分解が早まる」との間違った認識がはびこっている。
また、居酒屋でウコンの力をメニューに入れて販売したり、客に無料配布するところまである。
このような風潮は、多量飲酒を助長し、飲酒運転防止の弊害となるものである。

3.「酒飲みにはウコン」という誤解
ウコンは肝臓にいいので、「酒飲みは、肝臓のためにウコンを摂るといい」との認識も広まっている。
だが実際には、ウコンは肝障害を招いた食品のトップであり、死者も出ているとの発表があり、「肝機能障害がある人にはとくに危険」と医師が警鐘を鳴らしている。酒飲みには肝機能障害を持つ人も多く含まれる。むしろ、ウコンを摂取することの危険性について、もっと注意喚起を行なうべきである。
ウコンの力には、肝障害を招くほどの量のウコンは含まれていないかもしれない。
しかし、ウコンの力のCMはウコンの万能感をいたずらに強調することで、「酒飲みにはウコン」という危険な「ウコン神話」を助長している。

以上