《ベルギー産等のダイオキシン汚染食品・受精卵クローン牛など安全の確保についての申し入れ》
1999年6月9日
ベルギーに端を発したダイオキシン汚染飼料による鶏肉・豚肉・牛乳・鶏卵等のダイオキシン汚染は、食品の輸入依存率の高い日本の消費者として非常に不安です。また、消費者の知らないところで新しいクローン技術によって生産された牛肉が一般市場に流通し、私たちに知らされないまま食卓に上がっている実態が明らかになり、消費者の安全性に対する不安が広がりました。
5月7日、主婦連など消費者5団体が開いた「クローン牛について消費者の疑問点を問う会」において、農林水産省と厚生省は「受精卵クローンについては安全性に問題はなく、表示の必要はない」との見解を示しました。
しかし、受精卵クローン牛はまだ研究の段階であり、国民的合意も得られない中で、表示をしないまま一般市場流通させることには反対です。消費者の不安を解消し、食の安全確保のため下記のとおり申し入れます。
(1) ベルギー産等のダイオキシン汚染食品について
1.汚染の恐れのある地域から食肉・牛乳等とその加工食品の検査を徹底し、汚染食品は迅速に輸入禁止措置をとること
2.輸入禁止措置をとるに至った検査結果等を迅速に公開すること
3.海外における汚染の実態、政府の対応などの情報を公開すること
(2) 受精卵クローン牛について
1.受精卵クローン技術による牛肉の市場流通を停止すること
2.クローン技術に限らず、新しい技術による食品は安易に市場流通させないこと
3.消費者・生産者・学識経験者・専門家など幅広い構成メンバーによって、「表示」を含め受精卵クローンについて検討する場を設置すること
4.消費者の意向を無視してこのままクローン牛を市場流通させるのであれば、市場に出回っている受精卵クローン牛肉には、直ちにその旨の「表示」を徹底すること