2011年9月28日
内閣総理大臣
経済産業大臣
原発・環境大臣 宛
野田新内閣への要望~再生エネルギーの利用拡大へ向け実効性ある施策推進を
主婦連合会
野田新総理は、9月13日の所信表明演説の中で、「安全性を検証・確認された原発については再稼働を進める」との方針を発表されました。
しかし、福島原子力発電所の事故が半年以上経った今でも収束されず、事故の本格的な原因究明も実施されていない中で、この方針は消費者・国民、地元住民に大きな不安感をもたらしています。
放射性物質は大気・土壌・海洋に拡散し、消費生活に重大な影響を与え続けています。主婦連合会が三月の意見・要望書で表明したように、「異常事態」が「日常化」されている深刻な状況は一向に改善されないばかりか、大気・水・食品を通した内部被ばくの拡大など、事態はさらに悪化している状況です。
主婦連合会は、野田新内閣が、その発足を契機に、消費者の「安全・安心」を確保することを目指し、消費者・国民の健康被害防止への対応を強化するとともに、以下のような、消費者・国民が納得するエネルギー政策の方針を採用されることを求めます。
記
(1)原子力発電に依存しない「脱原発社会」の構築を目指すこと。これを政府の方針として位置付け、新規原子力発電所の計画中止、既存原子力発電所の段階的使用中止と廃炉方針の決定、その方向性へ向けた速やかな検討体制の整備及び施策対応を図ること。
(2)環境省の外局として規制体系の一元化を図る「原子力安全庁」の創設が予定されていますが、その新機関に上記(1)の取り組みを所管させること。
(3)自然エネルギーの利用促進を明確にし、「再生エネルギー法」の実効性を確保するための早急な施策導入に着手すること。予定される「エネルギー基本計画の見直し」や「エネルギー政策の再構築」の検討にあたっては、消費者・市民団体の意見をとり入れ、施策に反映させること。
(4)自然エネルギーの導入促進では、「新技術」が新たな環境破壊や健康被害問題を起こさないよう十分配慮し、被害発生・防止へ向けた検討体制を整備すること。
(5)「再生エネルギー法」に基づく施策については、電気の買取制度に関する電気料金などの問題も提起されていることから、消費者・消費者団体・市民団体等からの意見を十分に聴き、それを施策に反映させること。
(6)「脱原発社会」を早期に実現するため、再生エネルギーの推進と並行し、多様な発電方法を組み合わせて電力需要にこたえる体制構築を、早急に進めること。
以上