【意見書】《NTTグループ「インターネット上の海賊版サイトに対するブロッキングの実施について」に対する意見書》

申し入れ・要望

NTTグループ「インターネット上の海賊版サイトに対するブロッキングの実施について」に対する意見書

主婦連合会
全国地域婦人団体連絡協議会

 2018年4月23日,日本電信電話株式会社ら四社(以下,「四社」という。)は,「インターネット上の海賊版サイトに対するブロッキングの実施について」と題して,「NTTグループは、これまでも安全・安心なインターネット利用環境の提供に努めてまいりました。この度、コンテンツ事業者団体からの要請並びに2018年4月13日に開催された知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議において決定された『インターネット上の海賊版対策に関する進め方について』に基づき、NTTコミュニケーションズ株式会社、株式会社NTTドコモ、株式会社NTTぷららの3社は、サイトブロッキングに関する法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置として、海賊版3サイトに対してブロッキングを行うこととし、準備が整い次第実施します。なお、政府において、可及的速やかに法制度を整備していただきたいと考えています。」との文面のプレスリリースを公表しました。

四社は,具体的な事実及び法的根拠等を示さずに,「海賊版3サイト」を対象として,「ブロッキング」を行うこととしています。「ブロッキング」とは,電気通信サービスの利用者に対して行われる閲覧防止措置のことであって,電気通信サービスの利用者の「通信の秘密」(憲法第21条第2項、電気通信事業法第4条第1項)を侵害するものです。

私どもは,利用者の通信の秘密を侵害しようとする四社に対し,強く抗議するとともに,ブロッキングを行わないことを求めます。また,他の電気通信事業者においてもブロッキングを行わないことを求めます。 

今後,四社が実際にブロッキングを行うこととし,さらに行った場合には,他の消費者団体等と協力して,消費者契約法上の消費者団体訴訟を提起し,行政手続法第36条の3に基づいて総務大臣に対し電気通信事業法上の改善命令等(電気通信事業法第29条第1項)を求め,電気通信事業法違反(第179条各項)の罰則に関して刑事告発を行うことも辞しません。

四社及びその電気通信事業に従事する者には,通信の秘密(電気通信事業法第4条第1項及び第2項)を守る責務を有する者としての自覚を強く求めます。

以上