内閣総理大臣
経済産業大臣
厚生労働大臣 宛
新型コロナウイルスCOVID-19に対する意見 安全・安心・信頼の確保と情報の開示を
主婦連合会
緊急事態宣言が出されてから3週間が過ぎました。わたくしたち消費者は、一刻も早い事態の収拾を願い、国などから出される情報に従って予防と在宅(ステイホーム)に努めています。
現在のところ、連休明けの5月6日までとされる緊急事態宣言ですが、政治的都合、経済を優先することなく、新型コロナウイルスの感染の動向が沈静化したことを科学的データで示し、慎重論の専門家の意見にも真摯に耳を傾け、信頼できる説明と情報で緊急事態宣言の解除の判断を行ってください。
1.補正予算は緊急性を要するもの、本当に今必要なものを対象としてください
新型コロナ感染症と日々闘っている医療現場の崩壊を起こさないために、医療用マスクや防護服が十分にいきわたるようにすべきです。医療現場への支援に予算を多く割いてください。
新型コロナウイルスの収束後に使われることを念頭に置いたと思われる、観光業や外食産業などへのキャンペーン用予算である総額1兆6794億円は、医療崩壊につながらないための施策、検査体制などに充ててください。経済対策は、政治の責任を明確化し罰則ではなく補償で進めてください。
2.国民が安心できる体制を整えてください
2月には、「検査キャパシティーがすぐにできない状況では検査を回避しておこうという判断を行った」と報道がされています。その後、4月7日に緊急事態宣言が出され、以前の判断は修正されました。しかし、その周知が徹底されていなかったために、古い情報のまま自宅待機を強いられる方や、相談センターにつながらないなどで無念にも自宅で命を落とされる方もでています。また、死因の特定を行わないままの突然死なども多いと聞きます。この様な状況下で、私たちができ得る限りの予防行動をとったとしても罹患しているかもしれないという不安は払しょくできません。4月6日に、安倍首相は2万件の検査体制を約束しました。しかし、いまだに行われていません。
検査体制を充実させ体調不良になった際に原因を特定できることが、医療現場を混乱させないことにもつながります。無自覚の感染者のデータも含め、信頼できるデータ、正しい数字で状況判断ができるようPCR検査体制を早急に進めてください。
3.議論の意思決定の開示を
未知の感染症について、楽観論は禁物です。未知なものを正しく恐れるためのリスク管理には慎重論が原則です。今回の新型コロナ感染症COVID-19は、全世界で猛威を振るっています。ウイルス感染を完全に抑制すること無しに、世界経済は上向かないと思われます。検査を広く行わない、クラスター戦略を支えるのに十分だとしてPCR検査を絞るなどの決定を行った専門家会議の決定過程の開示を求めます。新型コロナ対策のための緊急事態の終息判断は、政府から独立した専門家会議で科学的根拠によってなされるべきです。状況に応じて方針が変化するのは仕方がありませんが、市中感染が既に起こっているのであるから検査を広げていこうという判断がもっと早くなされるべきだったと考えます。諸外国の先進事例では、記録を残す、過去に学ぶなどが重要視されています。先進事例や疫学調査の結果なども勘案して有効な施策を構築してください。
以上