【パブコメ】重要電源開発地点の指定に関する規程の一部を改正する告示(案)に対する意見

2026年7月9日

重要電源開発地点の指定に関する規程の一部を改正する告示(案)
に対する意見

主婦連合会

 

[意見1]

・該当箇所

告示(案)3ページ目「七」 (第4条第1項第7号)

・意見内容

本改正により、市町村長の関与が「同意」から「協議」へと実質的に後退することについては、地域の意思の尊重及び合意形成の観点から重大な問題があり、反対します。

「同意」を制度上の要件として明確に維持するべきであり、最終的に「同意」が必要である旨を明確に規定することに加え、同意の確認方法及び時期を明確に規定すること、公開ヒアリングの結果および地域の意向が指定判断にどのように反映されるかを明示することを求めます。

・理由

現行制度では、重要電源開発地点の指定にあたり、市町村長の同意、都道府県知事の意向等を踏まえることにより、地域の理解を前提とした制度設計となっています。しかし、本改正案では、申請段階において「市町村長の同意の状況」を「市町村長への協議の状況」へ変更することとされています。この変更は、単なる書きぶりの修正にとどまらず、地域の意思確認の重みを制度上明らかに低下させるものであり、結果として地域合意形成の実効性を損なうおそれがあります。

原子力政策においては、福島第一原発事故の反省を踏まえ、安全性の確保、地域との信頼関係の構築が極めて重要とされてきました。実際、意見募集の参考資料においても、「立地地域との丁寧な対話を通じた認識の共有・信頼関係の深化が重要」と明記されています。にもかかわらず、制度上の関与を「同意」から「協議」へと緩和することは、この基本方針と整合しているとは言えません。

本改正案では、公開ヒアリングを制度的に位置付けるなど、住民参加の機会を一定程度拡充する方向が示されています。しかし同意要件が曖昧化した状態では、ヒアリング結果や地域の意向がどのように反映されるのかが不透明となり、制度への信頼を損なうことに繋がります。

改正理由として、申請時点では市町村長の同意確認が困難な場合があるとの指摘が示されています。しかし、これは本来、十分な事前調整や合意形成プロセスの確保によって解決されるべき問題であり、要件を緩和する理由とはなりません。むしろ、申請前の段階における合意形成を軽視する方向に働くおそれがあります。

 

[意見2]

・該当箇所

告示(案)5ページ目 「6.の一」 (第4条第6項第1号)

・意見内容

改正案は「申請する地点の電源について電気事業法第二十九条第一項に規定する供給計画に原則として記載がされていること」となっており、「原則として」という言葉が追記されています。「原則として」の追記はせず、削除すべきです。

・理由

重要電源には原子力発電所が含まれています。原子力発電は、他の電源と比較して建設期間が長く、かつ巨額の初期投資を要するなど、事業の不確実性が大きいという特性を有しています。

そのため近年では、長期脱炭素電源オークションにより、発電事業者に対して原則20年間にわたる収入の予見可能性を付与する仕組みが導入されています。この制度は巨額の投資回収を支援するものであり、その財源は容量拠出金を通じて最終的に電気料金として需要家が負担する構造となっています。

さらに、原子力発電所の新設等については、GX推進機構による債務保証や公的融資など、国の信用力を活用した資金調達支援が講じられており、税財源の関与が想定されます。

このように、原子力発電は建設段階から電気料金や税財源による支援が見込まれる電源である以上、その前提となる供給計画については、他の電源以上に慎重かつ綿密に検討・提示されることが不可欠です。

したがって、事業者が想定している供給計画の具体的内容が明示されるべきです。それにもかかわらず、「原則として」との文言を追加することで、計画の具体性や確実性に関する要件が実質的に緩和されることになるため、文言の追加に反対します。

以上