2005年9月12日
厚生労働大臣 宛
「ジアシルグリセロールを主成分とした特定保健用食品の承認取消及び販売停止の要望
主婦連合会
ジアシルグリセロールを主成分とした「健康エコナクッキングオイル」や「エコナマヨネーズタイプ」の食品が、現在、厚生労働省より特定保健用食品としての承認を受けて販売されています。8月4日、厚労省が食品安全委員会に提出した資料には、このジアシルグリセロールを対象とした実験状況が記載されており、二段階発がん試験の結果として、「扁平上皮がんのプロモーション作用が示唆された」としています。厚労省はこの結果を重視し、実験動物の個体数を増やし、高用量、長期間の追加試験を実施することを明らかにしています。そこで次のことを要望します。
1)速やかに当該成分を含む特定保健用食品について、「特保」としての承認を取り消して下さい。
特保として推奨され、大量に販売されている一方で、発がん促進試験を実施するという事態を消費者はとうてい承服できません。特保は何よりも安全であることを前提としています。今回、安全性を揺るがす実験データが出たこと自体問題なのに、さらに特保としての販売を継続するのは、特定保健用食品制度の信頼性を地に堕すものです。
2)疑わしきは使用せず、という安全性に関する予防原則を重視し、ジアシルグリセロールを主成分とする食品については、明確に安全性が証明されるまで販売停止にして下さい。
ジアシルグリセロールについてはこれまでも発がん促進作用の可能性があることが専門家の間で指摘されてきました。今回の実験結果はその指摘を証明したものと位置付けるべきです。それを軽視して、さらに追加実験の結果が出るまで販売を継続させることは消費者基本法で明記された「消費者の安全の権利」を無視するものです。同成分を主成分とする食品については、速やかな販売停止措置を要求します。
以上