【意見書】《「消費者の安全確保の権利」に基づく「高濃度ジアシルグリセロールを含む食品」に関するアピール》

申し入れ・要望

2005年11月1日

厚生労働大臣
食品安全委員会 委員長
花王株式会社 代表取締役社長 宛

「消費者の安全確保の権利」に基づく「高濃度ジアシルグリセロールを含む食品」に関するアピール

主婦連合会

特定保健用食品「健康エコナクッキングオイル」や「エコナマヨネーズタイプ」(花王株式会社)の主成分「ジアシルグリセロール」について、発ガン促進作用の疑いが国立がんセンター研究所の実験データにより示唆されました。同成分は、2年前にも同様の疑いが専門家より指摘されており、厚生労働省は含有食品を特定保健用食品として許可する一方で、「念のため」国立がんセンター研究所で安全性試験を実施していたものです。

厚生労働省は、現時点での安全性評価を食品安全委員会に依頼すると共に、今後、実験動物の個体数を増やし、高用量、長期間の大規模な追加試験を実施し、結果が出る約1年半後にもその評価を同委員会に諮問する予定としています。

しかしそれまでの間、同成分を含む前記食品は特定保健用食品として厚生労働省のお墨付きのもと推奨販売され続けます。私たちは、特定保健用食品として推奨され、大量に販売されている一方で、発がん促進試験を実施するという事態にはとうてい承服できません。このような事態は消費者の不安感を高め「安全・安心」の施策とは相容れないものです。予防原則導入の必要性と消費者基本法に明記された「消費者の安全確保の権利」に基づき、次の項目を要求します。

1.食品安全委員会は、2年前のリスク評価の結論を取り消すこと

2.厚生労働省は、速やかに当該成分を含む特定保健用食品について、「特定保健用食品」としての許可を取り消すこと
3.花王株式会社は、「疑わしきは使用せず」という安全性に関する予防原則を重視し、ジアシルグリセロールを主成分とする食品については、明確に安全性が証明されるまで販売を停止すること

以上

【賛同団体】:
拡大生産者責任とデポジット制度の実現を目指す全国ネットワーク/家庭栄養研究会/主婦連合会/食の安全・監視市民委員会/ 新日本婦人の会東京都本部/杉並区消費者グループ連絡会/東京都地域消費者団体連絡会 /中野区消費者団体連絡会/日本消費者連盟/日本婦人有権者同盟日野市消費者運動連絡会