《改正訪問販売法の政・省令についての意見》
1996年7月29日
《通商産業大臣 宛》
この度の訪問販売法の改正により、従来から問題の多かった電話勧誘取引および、連鎖販売取引の消費者被害が減少することが期待されます。
改正訪問販売法が実質的に消費者保護に活用されるため、政・省令の内容に下記の点を留意されるよう申し入れます。
記
1.電話勧誘について
(1)規制の対象にファクシミリ、パソコン等の通信機器も含めること。
(2)禁止行為に以下の事項を追加すること。
A.本人以外のものに、目的を告げず、あるいは目的を偽り、または曖昧にして、本人に電話をかけるよう要請すること。
B.目的を告げた場合であっても、景品、値引き、期限付きなど有利な条件をアピールして電話をかけるよう要請すること。
(3)指定商品に次の役務を追加すること。
電話役務、有線放送、CATV、通信衛星放送等の役務パソコンネットワーク。
(4)契約書面記載事項に以下の項目を追加すること
A.継続的役務提供契約の中途解約が可能であること及び解約に伴う清算の計算方法などを明記する。
B.電話による説明内容と契約書の内容に齟齬がないことが前提であるが、顧客の記憶が書面記載事項と異なる場合、契約書面記載事項が優先することの明記。
C.問い合わせ先、担当部署名、電話番号
(5)承諾等の通知の記載事項
A.申し込みの諾否
B.申し込みを受諾しない場合はその理由、既払金の変換方法
C.申し込み受諾の場合 ア.事業者名・住所、イ.担当者の所属部署および上席責任者名、電話番号、ウ.契約締結年月日、エ.対象商品・役務の種類、オ.商品・権利の引き渡し時期及び方法、カ.受領した金額、収納方法 キ.残額の支払方法、支払期限 ク.クーリングオフ規定 ケ.契約解除の方法、条件等
(6)禁止行為に次の事項を追加する
A.高齢者など判断力の不足に乗じた契約締結
B.契約書面と異なるオーバートーク
C.すでに顧客関係にあるものが事前に了解した以外の午後9時から午前9時まで及び、土曜、日曜、休日の終日の架電
D.長時間、あるいは相手が困惑するような、程度を越えた勧誘
E.職場や外出先への架電
F.契約締結前の申込書面、契約書面の送付拒否
(7)申し込みの撤回等
A.書面の送付方法は、消費者が重要書面であることを明確に認識できる方法であること。
B.書面の到着日がクーリングオフの起算日となることから、DM、普通郵便物などと混同しないよう、「契約書在中」「重要書面」などと朱書きすること。配達証明、書留郵便とするなどを義務づけること。特に、商品と一緒に送らないこと。
2. 連鎖販売取引について
(1)禁止行為について、規則に明確にいれること。また、組織に参加することによって安易に儲かるような説明は禁止すること。
(2)重要事項の告示に次の文言を加えること。
A.警告表示として、この組織は、論理的には破綻する恐れが極めて高いこと。
B.また、人間関係の悪化や、友達を失うなどの弊害に繋がる恐れがあること。
(3)違反行為に対する罰則の強化
(追加)
電話勧誘 (1)契約内容の書面交付の義務付け(2)行為規制違反時の業務停止命令(3)事業者名の公表を含む罰則の強化、行政指導内容の明確化
以上