【要望書】《原子力発電所事故に関する要望書 その1 福島県内の原子力発電所事故による食品の放射能汚染に関する要望書》

申し入れ・要望

2011年3月22日

内閣総理大臣 宛

原子力発電所事故に関する要望書 その1 福島県内の原子力発電所事故による食品の放射能汚染に関する要望書

主婦連合会

 福島県内の原子力発電所事故で高濃度の放射能が環境に放出された中、これ以上の放射能拡散をどう防ぐか懸命の努力が展開されています。しかしその一方、近隣県の食品・飲料水から、暫定規制値を大幅に上回る放射能が相次いで検出されるようになりました。政府は、暫定規制値を超えた食品を食べても「ただちに危険ではない」とする説明を繰り返しています。主婦連合会は、食の安全が消費者の生命と健康を守る上での基本であることを踏まえ、食を通した今後の消費者の健康災害を防止するために次の点を要望いたします。

要望事項

1. 国は、消費者に適正・的確な情報を提供するため、情報公表の一元化を図るとともに、消費者相談体制を強化してください。

2. 暫定規制値を超えた食品については速やかに公表するとともに、製造・出荷・販売停止を実施してください。

3. 各自治体で実施している検査について、検査対象品・産地名をはじめ、規制値未満の検査結果も一元的に公表してください。

4. 加工食品の検査も早急に実施し、結果をすべて公表してください。

5. 政府・厚労省は、暫定規制値を超えた放射能で汚染された食品を食べても「ただちに健康への影響はない」と説明し、放射能汚染特有の「晩発性障害」についてのリスクを説明していません。そのために、消費者には汚染の規制値を超える作物を食べても安全であるかのような誤解を与える可能性があります。暫定規制値を設置した理由を踏まえ、早急に晩発性障害のリスクも加味した情報提供の在り方へと改善してください。

6. 影響の強い乳幼児、妊婦について安全性への強化策を早急に整備して下さい。乳幼児への放射能の影響は成人の10倍との報告もあります。放射能汚染食品による将来的な健康影響を重視し早急に乳幼児・妊婦などへの配慮策を導入してください。

以上