【声明】《東京電力の家庭向け電気料金値上げ認可についての抗議と再考へ向けたアピール》

申し入れ・要望

2012年7月20日

東京電力の家庭向け電気料金値上げ認可についての抗議と再考へ向けたアピール

主婦連合会 

7月19日、東京電力が申請している家庭向け電気料金値上げ幅について、松原消費者担当大臣と枝野経産大臣が、首相官邸で藤村官房長官を交えて会談し「合意した」と報道されました。

それによると、政府は東電の再建計画を維持するギリギリの水準まで費用を削減する一方で、再稼働の見通しの立たない福島第1・第2原子力発電所に関する減価償却費や、事故を起こした福島第1原子力発電所の安定維持費、損害賠償に関する対応費、さらに購入電力量がゼロにもかかわらず他社に支払われる購入電力料などについても、経済産業省「査定方針案」の通りに、電気料金の原価に算入することを認めたとのことです。

公的資金が投じられる東京電力を、従来の制度的枠内で位置付けようとする経済産業省に対し、多くの消費者・消費者団体が公聴会や消費者庁との意見交換会、「国民の声」などの場を通し、その妥当性に疑問を呈してきたにもかかわらず、それら意見は十分尊重・反映されませんでした。家庭用の電気は地域独占であり、消費者は選ぶ権利が確保されていません。それに加え今回は、「消費者の意見が聞き入れられる権利」も確保されませんでした。

主婦連合会は今回の電気料金の決定は、消費者基本法の「消費者の権利」に基づき、「消費者目線」から策定された消費者庁「チェックポイント検討チーム」の査定評価(7月17日策定)に基づいて実施されるべき、と考えます。政府の決定は、結果的に「消費者目線」より「事業者目線」を優先した拙速な判断と思わざるを得ません。主婦連合会は今回の政府決定に抗議し、再検討への再考を求めます。

以上