2005年11月9日
酒類業中央団体連絡協議会
飲酒に関する連絡協議会 宛
「酒類の広告・宣伝の関する自主基準」についての要望
主婦連合会
酒類業中央団体連絡協議会の「飲酒に関する連絡協議会」は、未成年者の飲酒禁止に関する事項や広告・宣伝の際の留意事項などを「自主基準」に定めていますが、10月から11月にかけ、その自主基準に違反すると思われる行為が相次いで発覚しました。
自主基準はコンプライアンス経営の要であり、法律や制度だけでは不十分な点を社会的責任(CSR)という観点から自ら決めた基準であり、企業が社会的責任を果たす上で重要な指標となるものです。私たちは、自らの判断で基準を決定し、実行することはとても重要だと考え評価しています。
酒類は、未成年者飲酒をはじめ、さまざまな健康問題・事故・社会問題を引き起こす可能性のある致酔性・依存性の飲料です。だからこそ、酒類メーカーには社会的配慮のもとに事業活動を行なう責任があるのです。
私たちは、相次ぐ自主基準違反に対し、消費者基本法に明記された「消費者の権利」に基づき抗議いたします。と同時に、以下の点について11月30日までに文書にてご回答をいただきたく要望いたします。
1.自主基準には「車体広告は行なわない」と定められていますが、日本盛株式会社は山手線での車体広告を10月から11月にかけて実施しています。これは自主基準違反と思われますか? また、当該企業に対し、自主基準作成・運用の責任主体である貴協議会は、どのような対応をとられましたか。あるいは取られる予定ですか。
2.自主基準では「テレビ広告を行なわないとする時間帯」を1998年に定めています。しかし、毎年1月2・3日に行なわれる東京箱根間往復大学駅伝競走ではサッポロビール株式会社が朝からテレビ広告を放映、さらに今回は、黄桜酒造株式会社が10月の土・日曜日の午前中にテレビ広告を放映しました。これらは、私たちが把握できたものだけです。当該企業をはじめ同様の違反事例に対し、貴協議会は、どのような対応をとられましたか。あるいは取られる予定ですか。
3.貴協議会は自主基準を作成するだけでなく、各事業者が規準を遵守しているか否か調査する必要があると考えます。自主基準の運用実績を評価・検証し、自主基準違反の実態を把握し、その結果を公表してください。
以上