《2020年度の「国民生活基礎調査」継続を要望します》

申し入れ・要望

2020年9月2日

《厚生労働大臣、厚生労働省政策統括官付参事官付世帯統計室室長、消費者委員会委員長 宛》

2020年度の「国民生活基礎調査」継続を要望します

主婦連合会

 厚生労働省は今年3月末、今年度の「国民生活基礎調査」の中止を公表しました。「国民生活基礎調査」に関する業務を担っている全国の保健所に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による電話相談、PCR検査実施判断業務が集中したことから、感染症対策を優先させること、訪問調査に伴う調査員と対象世帯の接触を避けることが中止の理由として挙げられました。発表の時点ではマスクやアルコール消毒液が不足していたことなどもあり、やむを得ない判断と受けとめられましたが、現在では、マスクやアルコール消毒液も市場に出回るようになり、ITを使って医療機関と保健所をつなぐ情報システムが動き始めているなど、3月の時点とは状況が変化してきています。

また、資格を伴わない調査などは、保健所での臨時雇用による人員確保や、郵送・ネットなど非接触の調査方法の導入により、実施は十分に可能と考えます。今年度は大規模調査の年ではありませんが、所得などの調査を継続的に行うことは、国民生活がどのように変化したのかを客観的に考察するためには不可欠です。

これまでは、大規模災害が起こった年には災害地域を除いた全国調査を行い、全国的に調査を中止することはありませんでした。COVID-19の収束は、ワクチン、治療薬など安全性評価も含めると2年後になるという専門家もいます。これまでの調査形態では、来年度も行なうことができないということになりかねません。この調査は政府の各種政策決定の基礎となる重要な基幹統計であり、調査の中止は、政府が国民の生活水準を把握できない状況を生み、その結果、国民の生活のニーズが保障される権利、補償を受ける権利、知る権利を妨げるものです。

人口動態統計その他地域保健に係る統計に関する業務を担っている全国の保健所は、行政改革で1994年の847カ所から2020年には469カ所へと半分近くまでに減少しています。重要な業務の遂行に支障をきたすことのないよう、保健所の人員体制の大幅な強化と人材の育成、今後の感染症対策のための予算を含めた財政措置とともに、調査の継続を強く要望します。

以上