【パブコメ】家族法制の見直しに関する中間試案に対する意見

 2023年2月15日

法務省民事局参事官室 宛

家族法制の見直しに関する中間試案に対する意見

主婦連合会

※「家族法制の見直しに関する中間試案」についてはこちら

◆第2 1~3 父母の離婚後等の親権者に関する規律の見直し について

【意見】

 「乙案 現行民法第819条の規律を維持し、父母の離婚の際には、父母の一方のみを親権者と定めなければならないものとする。」に賛成です。

【意見の理由】

子どもにとって有害な児童虐待やDVケースがある場合、それらの認定の方法が未確立であり、当事者支援(保護)制度の導入がなされていないなど、安全を確保するための制度が未整備です。共同親権を選択した場合、離婚後もDVなどの加害が続く恐れや子どもが対立に巻き込まれたりする懸念があります。

離婚後の子どもの監護の在り方は、現在、両親が協議して決めることを前提(民法766条1項)としており、親権がなくても面会交流などは充分可能で、協力的な父母間においては身上監護が共同で行われている実態があります。また、財産管理や法定代理に関しても非親権者に相談をすることは、自由です。高葛藤夫婦の場合に共同親権を選択した場合、重要事項(居所・医療・学校選択・財産管理など)について、ことごとく激しい対立が起こる可能性があり、適時決定できない恐れが大きいと考えます。

面会交流のための支援制度の充実・整備(専門アドバイザーやカウンセラーの養成・継続研修制度の充実、児童精神科医等子どもの心の専門医の活用、発達心理学の視点の導入など)を求めます。

 

◆第2‐3‐(4)子の居所指定について

【意見】

「X案 監護者が子の居所の指定又は変更に関する決定を単独で行うことができる。」に賛成です。

【意見の理由】

 高葛藤の夫婦の場合、離婚後は、距離を置き関わりを持たないことで、感情的な葛藤がおさまっていくといわれています。子どもにとって有害な児童虐待やDVケースがある場合は、居所を明らかにすることは子どもに危険が伴うことが考えられ、子どもの福祉に反します。

 

◆第2‐5認知の場合の規律について

【意見】

「乙案 父が認知した場合の親権者についての現行民法第819条の規律を維持し、父母の協議(又は家庭裁判所の裁判)で父を親権者と定めたときに限り父が親権を行う(それ以外の場合は母が親権を行う)ものとする。」に賛成です。

【意見の理由】

 子どもにとって有害な児童虐待やDVケースがある場合や養育に関心がない前夫の存在などが明らかになっています。認知しただけの父親が親権者となることは母子ともに危険と混乱をまねくと考えます。

 

◆第3 父母の離婚後の子の監護に関する事項の定め等に関する規律の見直しについて

⒈ 離婚時の情報提供に関する規律

【意見】

 「乙案 父母の離婚後の子の養育に関する講座の受講を協議上の離婚要件とはせず、その受講を促進するための方策について別途検討するものとする。」に賛成です。しかし、 注2 義務訓示的規定を設けることには反対です。

【意見の理由】

 講座を創設し、受講することは親として、子どもの養育のあり方、その他に関して意識を高め、子どものすこやかな成長によい効果をもたらすことなどが期待できますが、他方、父母の葛藤を静める効果は期待できません。また、受講を拒否し続けることにより、離婚が引き延ばされる懸念があります。

 

2 父母の協議離婚の際の定め

  • 子の監護について必要な事項の定めの促進

【意見】

「乙案 子の監護について必要な事項の定めをすることを父母の協議上の離婚の要件としていない現行民法の規律を維持した上で、子の監護について必要な事項の定めがされることを促進するための方策について別途検討するものとする」に賛成です。

【意見の理由】

 話し合いができない、話し合えないほど恐怖がある関係のために離婚を考える当事者は多いため、現行民法の規律の維持は必要と考えます。

 

(2)養育費に関する定めの実効性向上について

【意見】

「養育費の履行確保のための法整備、当事者に経済的余力のない場合は、国が全額立替払いの後、国が回収する(租税債権と同様に)仕組みの構築 を求めます。

【意見の理由】

現在養育費を受け取れている一人親世帯は25%に過ぎず、一人親世帯の多くは貧困状態にあります。話し合いができない、音信不通など、養育費の交渉がまったくできないケースが多いのが現状だからです。

 

◆第5‐3 親子交流に関する裁判手続きの見直しについて

【意見】

 「調停成立前や審判の前の段階などの早期の面会交流の強制」には反対です。

【意見の理由】

安全に面会交流をするための支援制度や支援者(専門アドバイザーやカウンセラー)の養成・継続研修制度の充実などが確立されていません。破綻に至る父母の紛争でこどもは、不安・緊張・失望を強いられ大きく傷ついています。

裁判所命令のDV加害者更生プログラムなどの整備が必要と考えます。

離別後の不適切な交流が、高葛藤DVを招来することも報告されています。このような状況下で、子どもに関心のない別居親やDVや虐待親などとの面会交流の強制は、子どもの福祉に反します。

 

第6-2 未成年養子縁組に関するその他の成立要件について

【意見】

「未成年養子縁組の成立要件につき、父母の関与の在り方に関する規律も含めて、引き続き検討するものとする」ことに反対です。

【意見の理由】

 子どもにとって有害な児童虐待やDVケースがある場合や養育に関心がない前夫の存在などが明らかになっています。その場合、前夫と協議することや養子縁組の許可を得ることは非常に困難を伴うことが考えられ、母の再婚の妨げになることが予想されるためです。

 

以上