【意見書】《住民基本台帳ネットワークシステムの稼動開始に反対します》

《住民基本台帳ネットワークシステムの稼動開始に反対します》
2002年7月23日

《内閣総理大臣 小泉純一郎、総務大臣 片山虎之助  宛》

 

主婦連合会は、情報化社会の消費者の権利を確立する立場から、住民基本台帳の安易な広域利用に反対してきましたが、改正住民基本台帳法による住民基本台帳ネットワークの稼動開始予定が、8月5日と目前に迫ってきました。私たちは、個人情報保護法の法制未整備のままでの全国ネットワーク化は、絶対に認められません。

多くの自治体が導入に消極的であり、導入反対の決議をしている地方議会も少なくありません。

先頃、日本弁護士連合会が全自治体を対象に行ったアンケート調査の結果を見ても、自治体の準備不足や混乱ぶりがうかがえます。また、7月22日の朝日新聞が行った世論調査でも、住基ネットの導入に伴って、個人情報の流出や不正使用に不安を感じている人が8割を越え、76%が延期を求めています。

特に問題なのは、保守点検を事業者の手にゆだねざるを得ない現状にあることです。同時に、全国民の一元管理は、国を超えたハッキングに会う大きな危険性もあります。

日本各地で住民からの不安を訴える声を抱えた自治体が、住民の声を優先させるべき自治体にとって稼動延期を求めているのは当然です。

このような状態で、稼動開始して、万一、個人情報の漏洩、流用などの不祥事が起きた場合、国が地方自治体や国民に対する責任の取り方も全く不明です。いったん被害にあえば、その権利回復は、おそらく不可能です。

以上の理由から、私たちは、国民総背番号制といわれる住民基本台帳ネットワークに強く反対します。