【要望書】《「生果汁チューハイ」名称変更に関する要望書》

《「生果汁チューハイ」名称変更に関する要望書》
2002年5月7日

《宝酒造株式会社代表取締役社長  宛》

 

 果物を強調した低アルコール飲料について、誤飲を招く、未成年者の飲酒を誘引する、果汁飲料や清涼飲料では規制されている表示がまかり通っているなど、さまざまな問題が噴出しています。この状況を是正するため、先月末、日本洋酒酒造組合が「低アルコール度リキュール類の特定の事項の表示に関する自主基準」をまとめました。

 しかし、新発売された貴社の「生果汁チューハイ」が、新たな混乱を巻き起こしています。そのため私たちは、日本洋酒酒造組合と公正取引委員会に自主基準改正を要望しました。

 そもそも、私たち消費者にとって「生果汁」とは、搾りたての果汁を意味します。加工されパッケージングされた商品が、搾りたてであるはずはありません。加熱していないことを「客観的根拠」としている貴社の「生果汁チューハイ」も、製造過程でパルプ除去・ろ過・凍結などを行なっており、その際に天然成分の一部(ペクチン、パルプなど)は失われて、細胞破壊も起きているはずです。搾りたての状態とは明らかに違うわけで、加熱しなければ「生」と表示してよいということにはなりません。

 また、清涼飲料・果汁飲料は、「生果汁チューハイ」と同じ非加熱製法で製造しても、公正競争規約によって「生・天然」等の表示はできません。それが、アルコール飲料では可能になるというのは大きな矛盾です。しかも含まれる果汁の量が、清涼飲料水であれば「無果汁」とされる3.0%であることから考えても、非常に矛盾した事態を引き起こしているといえます。

 以上の理由により、私たちは、「生果汁チューハイ」という名称を改めることを求めます。