【意見書】《電気通信サービスにおける消費者保護施策の更なる充実を求めます》

申し入れ・要望

総務大臣
消費者および食品安全担当大臣
消費者庁長官
消費者委員会委員長 宛

電気通信サービスにおける消費者保護施策の更なる充実を求めます

2021年11月11日

 昨年来の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の中で、電気通信サービスを介した社会経済活動が急速に拡大し、消費生活における電気通信サービスの役割はますます広がっています。しかし、電気通信サービスの契約は複雑であることから、消費者が自分の利用形態を理解して把握することは難しく、トラブルが多発する状態が継続しています。
デジタル化が進む現状を踏まえて、政府の掲げる「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」という基本方針の通り、消費者が利用しやすい電気通信サービスのために、以下のことを要望します。

1. 総務省が今年度実証実験を行い、来年度実施する「スマホ乗換え相談所」においては、電気通信サービスに精通していない消費者が自分の使い方にあった契約や使用する端末を主体的に選択することができるよう、中立的な立場で、丁寧で平易な言葉で説明される環境の整備を求めます。

2. 電気通信サービスの契約に関する電話勧誘は、消費者が十分な認識のないまま契約内容を承諾し、トラブルにつながる事例が多くなっています。不意打ち的な電話勧誘による消費者被害の抜本的な対策として、電話勧誘を望まない消費者がそれを予め拒否できるDo Not Call制度(電話勧誘拒否登録制度)の導入を求めます。

3. 固定通信サービスの解約時には、解除料、撤去工事費、違約金など、多額の費用が発生する場合があり、消費者が自分の使い方にあった契約の選択をする障壁となっています。消費者保護の観点から、解除料だけではなく、撤去工事費等も含めた解約時費用全体のルール化を求めます。

4. 電気通信サービスの契約変更や解約の際、オンライン上で契約できるものは、変更や解約もオンライン上で完結できるようにすることを求めます。

5. 電気通信分野の苦情相談は、契約内容が複雑であることなどから、苦情処理には専門的知識が必要となります。そのため、通常の消費者相談では解決できない苦情に対して、電気通信分野に特化したADR等の苦情処理体制の整備が切望されています。苦情処理体制の検討に当たっては、的確な処理が行われる電気通信サービス専門の機関として、確実に設置されることを求めます。

6. 5G対応の携帯電話基地局設置が進められる中、電波による健康被害等への不安の声があります。国民の安全・安心のための配慮がなされる施策を求めます。

以上